誰か新しい人と出会って、結婚したいわけじゃない。でも、病気をきっかけに「どうしても子どもが欲しい」という気持ちに気付いて……。

込み上げてきた「産みたい」という思い

 私、このまま、子どもを産まずに生きていく……の?

 自分が「産む性」であることを強く自覚したのは、3年前の40歳のとき。会社の健康診断で子宮筋腫が見つかり、医師から手術をしないと不妊のリスクが高まると説明されたのがきっかけだった。それまで子どものことはおろか、結婚についても“マジメに”考えてこなかったくせに、医師の淡々とした説明が耳に留まって、気が遠のくように感じた。

睦美(43歳、外資系コンサル、未婚)

 子どもが欲しい。

 心の声というやつか、無性にそう思った。手術をすればいいなら、すぐにでもして子どもを授かりたい。年齢的に自然妊娠が難しいのは分かっている……。それなら、卵子凍結をしよう。

 今は相手のことを考えるより、少しでも早く卵子を確保しておくべきかもしれない。そう思って、卵子凍結ができる病院に片っ端から電話をかけた。年齢を理由に断られながらも、なんとかOKしてくれる病院を見つけて採取を実施。15個の卵子を確保することができた。

 「……そんなことがあってね」と、当時付き合っていた3つ年下の彼に話した。

「卵子凍結をした」と伝えたときの彼の反応は…
「卵子凍結をした」と伝えたときの彼の反応は…