社員20~30人の会社の取締役で、本人いわく「零細企業の雇われ社長」。2歳年下だけど兄貴肌で頼りがいがあり、交際も彼からアプローチしてくれて始まった。毎週末のデートもゴールデンウイークの旅行先もいつも彼が決めてくれ、私が土日に仕事が入ると、現場まで車で送ってくれたり、迎えにきてくれたりもした。

付き合っていた彼は、頼りがいのある兄貴肌だった
付き合っていた彼は、頼りがいのある兄貴肌だった

新しい恋が始まったのだが…

 きちんと好意を示してくれるのがうれしくて、私も彼をどんどん好きになった。「京子さんのご飯を食べたい」と言われれば、頑張って仕事を片付けて腕を振るい、ゴルフで手首を傷めたと聞けば湿布を買ってきて貼ってあげた。それなのに、フラれた。理由は「京子さんとの格差がやっぱりつらい」。

 彼はちょくちょく「格差」を口にしていた。自分は高卒だけど、京子さんは大卒。自分は地方出身だけど、京子さんは渋谷区出身・在住。自分はサラリーマンで家のローンがまだ残ってるけど、京子さんはフリーランスでローンを完済している。何かと自分を「下」にする自虐発言が多く、「よく行くスーパーが成城石井やデパ地下って信じられない」とも。近所にそれしかないから仕方ないないのだが、彼には嫌みに映ったらしい。

 格差とか言われても困る。全部、初めから分かっていたことだ。ひけらかした覚えはないし、嫌だったらアプローチしてこなければいい。まったく一体なんだったのか。