昭和、平成、令和と、いつの世も私たちARIA世代の心をわしづかみにする作品を生み出し続ける柴門ふみさん。現在は『恋する母たち』(小学館)で40代の恋する母親たちを描いています。柴門さんがARIA世代にメッセージを送る連載、最終回の今回は、柴門流「ご機嫌に年を重ねる秘訣」の後編です。

(1)東ラブから30年。柴門ふみが描く「40代からの恋」
(2)がん経験で残り時間を意識 創作力は今が最高
(3)「ご機嫌に年を重ねる5カ条」人生に無駄はない
(4)「ご機嫌に年を重ねる5カ条」最後は女友達!←今回はココ

最後に頼れるのは、夫よりも…

―― 連載3回目では、5カ条のうち1~3までを聞きました。今回は、残りの2つについてお聞きします。エッセーでは「女友達が大事」ともおっしゃっていますね。

柴門 女友達、本当に大事です。私は最高のリフレッシュとして「女友達とのデート」を推奨しているのですが、映画鑑賞にしてもショッピングにしても、感動を共有できるのは女友達。夫と仲良しだったとしても、「これ、いいよね!」とよりビビッドに分かち合えるのはやっぱり女同士なんですよねぇ。

―― 今、仲が良くて付き合いのある友人は、どういうご縁で?

柴門 ママ友です。子どもが同じ学校に通っていて、なんとなく気が合った方二人と30年。子どもたち同士が仲が良いわけでもなく、うち一人は私より5歳上くらいの方なんですけど、どこか気が合って。

 息子が交通事故で足を骨折して徒歩通学が難しくなったとき、私が運転免許を持っていなくて困っていたら、「うちの車で送っていくよ!」と言ってくれて、本当に助けられました。

 あのとき、夫は免許を持っているのに「俺は忙しい」と言ってやってくれなかったんですけどね……(笑)。最後に頼れるのは女友達ですよ。

 私は自由業で平日の日中に動きやすかったこともあって、専業主婦の友達との付き合いは深まりました。優秀な主婦の働きって素晴らしくて、夫が「うちに友達呼んでパーティーをやる」と言い出したときは、炊事係を買って出てくれて。彼女は「私が楽しいからやってるの」って洗い物をきれいに片付けてくれて、すごい適応力だなと思いました。

『恋する母たち』では「思春期の子どもを持つ母親の恋愛」という、これまでの漫画にはなかったテーマを描いている。「60歳くらいのときに、もう体力的にも連載は無理かな、と弱気になりかけていた時期でもあったのですが、『私はまだ描き切れていない』と気づいてからはスイッチが入りました」
『恋する母たち』では「思春期の子どもを持つ母親の恋愛」という、これまでの漫画にはなかったテーマを描いている。「60歳くらいのときに、もう体力的にも連載は無理かな、と弱気になりかけていた時期でもあったのですが、『私はまだ描き切れていない』と気づいてからはスイッチが入りました」