ARIA世代には避けることのできないテーマ「親の介護」。終わりの見えない状態だと聞きますが、どれだけ大変なのでしょうか? 働きながら介護生活はできるのでしょうか? 両親の介護を20年間続けているアナウンサーの渡辺真理さんと、日経ARIA編集部が「親を介護するということ」をテーマに往復書簡で気持ちをつづります。

かかってくる介護費用は家庭の状況によって様々

前編から続く)

 介護費用のことを聞きたいのに、なぜそんな精神論っぽい話を? と思われますよね? 要は気持ちの持ちようだとか、 介護費用は大変な負担じゃないという方向に話を持っていきたいわけでは決してないのです。

 まずひとつに、何より日本にはありがたいことに国民皆保険制度があります。アメリカ大統領選挙の際、たびたびニュースになるように現在のアメリカにはありません。同じく前述の通り、日本には介護保険制度もあります。40歳以上の国民全員が加入していて、年金や給料から天引きされる形で保険料を支払っています。その徴収された保険料と、国や市町村の公費である税金1対1の割合で国民全員が等しく介護を受けられる費用として充てる仕組みです。

 このシステムのために個人が払う保険料は、健康保険と同じようにその方の収入などによっても、場合によっては住んでいる自治体によっても額は変わってきます。お医者さまにかかったとき、診療代の全額は払わなくてよい代わりに1割負担とか3割負担とか、それぞれ決められていますよね?

 それと同様に、介護保険を利用するようになった世帯も収入によって負担額は1割から3割までと変わってきます。ネットなどにもいろいろなケースが例として載っていますが、かかってくる介護費用は、介護を受ける方の収入がある場合とない場合、症状の軽さや重さ、居住サービス(ご自宅で介護するケース)なのか、施設サービス(特養ってニュースなどで聞いたことありますよね? 特別養護老人ホームの略です。その他、介護老人保健施設や介護療養型医療施設に入居する場合)なのかによっても変わってくるので、一概にそのご家庭にかかってくる額が「高い」とも「安い」とも言い切れないのも事実。例えば、今うちでかかっている介護の額そのものが他のご家庭の参考になるかというと、そうでもないのが実際のところなのです。

「さるすべりの白い花が開く8月。レースのような花びらです」