ARIA世代には避けることのできないテーマ「親の介護」。終わりの見えない状態だと聞きますが、どれだけ大変なのでしょうか? 働きながら介護生活はできるのでしょうか? 両親の介護を20年間続けているアナウンサーの渡辺真理さんと、日経ARIA編集部が「親を介護するということ」をテーマに往復書簡で気持ちをつづります。

拝啓 渡辺真理様

 お手紙をありがとうございます。「母や家族と過ごす時間、そのためにかかる時間も選択の一つ。今それを選ぶということは、振り返ったとき、取りも直さず選ばなかった選択肢が集積されていくことにもなります」というお言葉、心に残りました。

 本日は介護の費用について教えていただけないでしょうか。介護にはとてもお金がかかると思います。実際何にどのくらいお金がかかるのか、多少お金がかかっても「ここはお母様や家族のためにこだわりたい」と思っているところや、逆に「ここはかけなくてもいいや」と割り切っているところなど、工夫していることがあれば伺いたいです。

敬具

父の自宅療養と介護保険制度のスタートが重なって

拝啓 ARIA様

 残暑とはいえ、厳しい暑さが続いています。こんなに暑いと、若い世代でも気づかないうちに脱水気味になりやすいとか。子どもも大人も、動物たちも、水分補給に気をつけながら、今年の夏を満喫できれば! と願っています。

 今回のご質問の介護費用についてですが、おっしゃる通り、「介護にはとてもお金がかかる」というイメージが、とても強いですよね。

 実際に、わが家でも父が倒れた1998年から他界するまでの16年間(入院した1年半と在宅療養の14年)、そして母も現在進行形で看ている今までの21年間にかかった医療費、介護費を合算すると、おそらく自分の年収の何年分かに匹敵するのではないかと思います。

 とはいえ、そんな覚悟はしなくても大丈夫です、と経験者として申し上げたい気持ちもあります。わが家では、1年半の入院生活を経て父の自宅療養が始まったのが2000年春、介護保険制度のスタートと重なり幸運でした。ただスタート時はプロの介護職の方々も、私たち利用者や家族も、介護保険事業を運営する市町村も初めてのことだらけで、それぞれの家庭が話し合いながら家計的にもサービスの選び方も手探りでした。

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