家事代行サービスのパイオニアであるベアーズ・取締役副社長の高橋ゆきさん。妻として、母として、活躍する女性経営者の一人として、山あり谷ありの道のりを歩んできたゆきさんだからこそ語れる、“幸せのレシピ”を全6回でお送りするこのコーナー。いよいよ最終回となる今日は、ベアーズ社長であり、長年苦楽をともにしてきた夫・高橋健志さんとの夫婦関係やパートナーシップに触れながら、“100年時代を生きる夫婦の在り方”について赤裸々に語ってくれました。

「家事代行という産業をつくる」ために結ばれた2人

 夫とは、18歳の時に知り合い、そのまま順調に交際を重ねて結婚しました。

 若かりし頃は、お互い「愛してる」とか、「いつまでも一緒に居たい」とか、スイートな時間もありましたが、結婚して長男長女を授かり、ベアーズをともに創業してからは、本当に山あり谷あり、時に嵐も吹き荒れて、いろんなことがあり過ぎました(笑)。特にベアーズ創業時からこれまでの20年間は、私たち夫婦にとってあまりにも濃い時間でした。

 この20年間の2人の関係性を振り返ってみると、「3つの時代」に分けられるなぁと思っています。最初の5、6年はまさに創業期真っ盛りで、とにかく2人で「家事代行という産業をつくる!」という熱いミッションのもと、がむしゃらに走り続けた時代でした。子育ても全盛期でしたから、育児をするのも、生活を営むのも、会社を作るのも全部必死。「子どもの歯が生えた」とか、「おむつがとれた」とか、しみじみ感じる暇もなかったです。

 夫も私も、それぞれ自分のテリトリーで脇目も振らず、事業に没頭していたので、お互いの状況も仕事ぶりも、ほとんど見ていられない状態でした。

 でも、会社を設立して7年目になってくると少しずつ余裕が出てきて、自分の担当分野に多少なりとも自信やこだわりが出てくるわけです。経営者としての自負も生まれ、次第にお互いのエリアに侵食するようになりました。

 それが2つ目の時代である「戦争時代」です(笑)。「そんなことにうつつを抜かしていると、ベアーズは世の中に認知されないんじゃないか?」「そのやり方では、家事代行の産業は育たないんじゃないのか?」などと、毎日、朝まで生テレビのように激論を交わしました。

 ただ、どれだけ激しく討論をしていても、周囲は温かく見守ってくれていましたね。むしろ、私たちが同じベクトルに向かって健全な闘いをすることによって、子どもも社員も感化されて、「自分たちも頑張らなきゃ!」と思ってくれたみたいです。

 この7年ほどの戦争時代は非常にエキサイティングでしたが、無事に乗り越えられたのは、私たち夫婦が「家事代行の産業を興そう」という共通の目的があったから。正直言うと、何度も「別れてやろうか!」と思ったことはありましたが(笑)、この苦闘を乗り越えたことで、「戦友」としての信頼と絆が強固になった気がします。

「山あり谷あり、時に嵐も吹き荒れて、いろんなことがあり過ぎました(笑)。特にベアーズ創業時からこれまでの20年間は、私たち夫婦にとってあまりにも濃い時間でした」