10代からいろいろな壁にぶつかりながらも、時には方向転換をし、常に決断を重ね、突破口を探し続けてきたブラウンシュガー1STの荻野みどり社長。起業に至るまでの経緯、新しいビジネスの挑戦、離婚とその後の家族関係など、数々の逆境を乗り越えながらも人生を楽しむ「レジリエンス(跳ね返す力)」な人生を語ります。

商売をする上での2つの問い

 商売とは、作りたい世界を実現するためのツールだと私は思っています。作りたい未来、解決したい課題があり、それを実現できる魅力的で強い商品を妥協なく作る。そしてそれを売り、買っていただき、お客様が幸せになり、売り場が増え、生産数が増え、また作り……その結果、商売としても好循環が生まれ、ある日ふと振り返ると、願っていた未来がカタチ作られていく。

 その上で、私は2つの問いを大切にしています。(1)「それを通して何を実現したいのか?」(2)「自分の人生の貴重な時間を注ぐ価値があるのか?」という問いです。私は、いま3つの会社を経営していますが、全て「子どもたちの未来の食を心豊かなものにする」というテーマが背骨として通っています。そうすると、日々の選択を間違えない。もし間違えてしまって大変なことがあっても、また2つの問いに立ち戻って、ぐっと踏ん張り軌道修正することができると感じています。

 余談ですが、よく独立したいという相談を受けます。そんなとき、まずは(1)(2)について深掘りして考えるように勧めています。その中でも、「社会に貢献したい」というタイプの人には、(1)について、きちんとビジネスを拡大して実現していくイメージを持ちつつ掘り下げるよう勧めます。このタイプは継続的に利益を上げることが難しく、商売が続かない、結果として目標達成が困難ということになりがちだから。実現したい未来を俯瞰(ふかん)して大きく描くと、動きがダイナミックになり、ひとつひとつの選択肢が変わると思っています。

 また、独立の動機を深掘りしていくと「自由になりたい」「もうかりそう」ということに行き着く場合が多いと感じています。そんなときは、特に(2)を重視して問いかけます。「なぜ、あなたが、これをやるのか?」と。「もうけ」は数字でしかありません。数字に自分の人生の貴重な時間を費やすのが本当に幸せなのか?と、自問してみることをお勧めしたいです。

 結論として、私は「もうけ」だけの商売も、「思い」だけの商売もつまんない! と感じています。ビジネスについての2つの問いへの答えが背骨となっていれば、あとは迷いなく前進するのみ。ちょっと選択を間違えても立ち返る場所があるという強さが備わりますし、なによりワクワクする気持ちやアイデアがどんどんが溢れてくるように感じています。

「(1)それを通して何を実現したいのか?(2)自分の人生の貴重な時間を注ぐ価値があるのか? という2つの問いを大切にしています」