湯川 セーブするといっても完全に諦めるということではなく、「楽しみは後に取っておこう」と考えるようにしたんです。子育ては今しかできないけれど、他の夢をかなえるのに期限はない。いつかきっとできる時が来る、と信じて。

 名付けて、“夢貯金”。いつか挑戦したい仕事、会いたい人、行ってみたい旅先、全部あきらめるたびに、紙に書いて書斎のボードに貼っていったら、多い時で20枚くらいになりました。あのアーティストに会いたい、オーロラを見る旅に行きたい、アマゾンの熱帯雨林に行ってリアルな環境問題をこの目で見たい……。息子が成長して、離婚してさらに身軽になって(笑)、今までに書いた夢は全部かなえることができましたよ。おかげさまで、私の“夢貯金”はすっからかん。利子まで使い果たしちゃったくらい。すっかり満たされた気持ちで、毎日を過ごせています。

「私の“夢貯金”はすっからかん。利子まで使い果たしちゃったくらい」
「私の“夢貯金”はすっからかん。利子まで使い果たしちゃったくらい」

取材・文/宮本恵理子 写真/鈴木愛子