湯川 大事なのは、しなやかでフレッシュな心を持ち続けることだと思うの。私はスクール・オブ・ミュージックという音楽専門学校の名誉校長に30年以上就かせていただいていて、全国6校での入学式や卒業式で毎年スピーチをしていますけれど、18歳から20歳くらいの若い人たちに向けて伝えていることと、ARIA世代に向けて伝えたいことは、実はそう変わらないと思いますよ。

 例えば昨年の春に話したのは「AIとBIの時代に大切にすべきは“CI”」という話。AIというのは「Artificial Intelligence」、つまり人工知能のことで、BIは「Business Intelligence」。対してCIのCには3つの意味があって、まず「Curiosity」、好奇心。次に「Creativity」、創造力ね。そして3つ目は「Cat」、猫みたいなしなやかさで考え、動くこと。「Cat Intelligence」ってちょっと面白いでしょう? 実際のところ、きっとAIは猫にはなれませんよね。人間にもなれない。AIにはなくて、猫や人間にあるものは何か。ひらめきや気まぐれや曖昧さも、人間らしい魅力の一つ。その違いを楽しんでいこうよ!って言いたいの。思い付きでもいいから、新しいことに興味を持ってみる。そして実際にやってみる。そんな心の軽やかさを保つことがすごく大事よね。

1982年夏、46歳のとき(湯川さん提供)
1982年夏、46歳のとき(湯川さん提供)

ツイッターやスマートウォッチも大活用

―― 年齢を重ねると、つい「これまでのやり方でいい」と守りに入りがちですが、トライを続けなさいということですね。湯川さんはツイッターもまめに更新されていますが、手元の腕時計はスマートウォッチですね? 持ち物も若いですね。