爽やかな青春小説から深い官能を描いた作品まで、数多くの恋愛を描いてきた直木賞作家・村山由佳さん。 村山さんの作品には、自分を強く主張できず男性に振り回されたり、ひどい振る舞いも我慢して受け入れるシーンがたびたび登場する。そんな女性たちの姿は、村山さん自身の恋愛とも重なる部分があるのだという。今、恋愛に苦しんでいる女性へのヒントとなる言葉が満載です。

今、見晴らしがいいところに立っている

 人生で初めての穏やかな恋愛と充実した作家生活。50歳を過ぎて、公私共に新たなステージにいる村山さん。この取材時、日経ARIAの資料の“今、見晴らしがいいところに立っている”(ブランドムービーのリンク)というフレーズを眺めながら、「すごく言い得て妙ですよね」とつぶやいた。

 「良いことも悪いことも経験してきたおかげで、いつの間にかいろいろなことが把握できて、物事の考え方が多層的になってきた感じがしているんです。誰かの上に立っているわけじゃなくて、自分の経験が積み重なった上に立って、見晴らしが良くなっている。これまでの五十数年を振り返って、一番充実しているのがいつかと言えば、間違いなく今。そう思えるのはありがたいことでもあります」

「良いことも悪いことも経験してきたおかげで、いつの間にか色々なことが把握できて、物事の考え方が多層的になってきた感じがしているんです」
「良いことも悪いことも経験してきたおかげで、いつの間にか色々なことが把握できて、物事の考え方が多層的になってきた感じがしているんです」

子どもの頃から要領が悪くて、回り道ばかり

 仕事とプライベート、すべてが絡み合って、そう言えるのはとてもすてきなこと。ただ、ここにたどり着くまでにはさんざん回り道をしてきた。