携帯電話料金が高いと悩んでいるなら、格安SIMに乗り換えるのも手。メリットとデメリットを解説する。安さだけに飛びつかず、大手事業者と格安SIMの違いを把握した上で、賢く選択する必要がある。

デメリットもあるが低料金は魅力的
デメリットもあるが低料金は魅力的
MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供するサービス「格安SIM」を利用すると、月々の携帯電話料金を大幅に抑えられる。しかし、デメリットはないのか、乗り換えて後悔したりしないのか気になるところ

 格安SIMにすれば、月々の携帯電話料金を大幅に削減できると聞いたことがあるだろう。しかし、本当に安くなるのか、乗り換えても心配ないか、不安に思う人も多いかもしれない。今回は、格安SIMの基本知識を解説しよう。

 SIM(SIMカード)とは、スマホの中にあるICカードのこと。SIMカードは通信や通話に必要な情報が入っている。au(KDDI)、NTTドコモ、ソフトバンクといった大手通信事業者ではなく、格安でサービスを提供する事業者が発行するSIMカードのことを、一般的に「格安SIM」と呼んでいる。

 格安SIMなら大手通信事業者に比べて半額から数分の1の料金に抑えられる。しかし、なぜそんなに安くなるのだろうか。

月々の料金は半額以下に
月々の料金は半額以下に
いずれもデータ容量3GBで2年縛りなどがなく、かけ放題プランは含まない場合の料金例。大手通信事業者と比べて半額以下の料金は魅力

 格安SIMを発行する事業者は、MVNO(仮想移動体通信事業者)と呼ばれる。これはMobile Virtual Network Operatorの略だ。自前の通信インフラを持たないため、「Virtual(仮想)」が付く。MVNO各社は、通信基地局の整備や管理にかかる莫大な費用を負担しないため、安くサービスを提供できる。通信・通話が可能なエリアは、帯域を借りている大手事業者と同じなので、格安SIMゆえに山間部で圏外になるといったことはない。現在の電話番号を引き継ぐことも、もちろん可能だ。

なぜ料金が安くなるの?
なぜ料金が安くなるの?
MVNO各社は通信インフラを自前で持たず、NTTドコモやau(KDDI)など大手通信事業者からレンタルしている。基地局の設置や管理費用が不要なので、その分安くサービスを提供できる