古いパソコンを捨てられず、押し入れに眠らせていないだろうか。ただしパソコンは一般ゴミとしては捨てられない。ルールにのっとった廃棄方法を知っておこう。基本的に費用はかからない。
2020年1月にWindows 7のサポートが終了した。サポート終了に伴い、新しいパソコンを購入した人もいるだろう。すると、古いパソコンをどう処分するかが問題になる。比較的高性能な機種なら、買い取りサービスを利用したり、ヤフオク!などで売れる可能性もある。しかし、年数のたったスペックの低いパソコンや、壊れたパソコンは売れる可能性が低く、廃棄するしかない。
しかし、パソコンは家庭ゴミのようにゴミ集積所に捨てることはできない。定められた方法で処分しなければならない。とはいえ、無料で処分できる方法がいくつかあるので、心配は無用。送料もかからない。
パソコンを無料で回収してもらうには、製造元メーカーに回収してもらう、回収業者に依頼する、家電量販店の無料回収サービスを利用するといった方法がある。
料金:無料(PCリサイクルマークがない製品は有料)
回収方法:集荷
データ抹消:なし
・回収業者
「リネットジャパンリサイクル」の場合
料金:無料(ブラウン管ディスプレイは3000円・税別)
回収方法:集荷
データ抹消:あり
・家電量販店
料金:無料(ディスプレイは対象外の場合も)
回収方法:持ち込み、集荷
データ抹消:店による
処分方法は後で詳しく説明する。ハードディスクドライブ(以下、HDD)のデータ抹消を実施しているサービスは限定的なので、HDDのデータを消すことから始めよう。
HDDのデータを完全抹消
信頼できる業者に回収を依頼すれば、自分が廃棄したパソコンから重要なデータが盗み取られる可能性は低い。しかし、2019年に神奈川県庁が廃棄したHDDが処分業者の社員によって転売され情報が流出した事件があったように、リスクがゼロとは限らない。念には念を入れるなら、HDD内の情報を抹消してから回収を依頼するとよい。また、オークションで売ったり知人に譲ったりする場合は、データ抹消が必須だ。
パソコンを初期状態に戻しただけでは、データは完全に消えていない。知識があるユーザーなら、データを復元できる。
データを復元できないようにするには、抹消用のソフトを使うか、HDDを物理的に破壊するとよい。メーカー製パソコンの多くは、メーカー提供のデータ抹消ツールがあらかじめ備わっている。方法はパソコンによって異なるので、説明書で確認しよう。
抹消ツールが備わっていない、再セットアップメディアなどを作っていない、外付けHDDのデータを消去したい場合などは市販ソフトを使うとよい。「ターミネータ10plus データ完全抹消」は、Windowsが起動しないパソコンでも(図5)。
家電量販店のビックカメラやソフマップなどでは、店頭にHDDを持ち込むと専用機械で穴を開けて破壊してくれる。1台当たり1020円だ。電源に問題があり起動ができないパソコンなどは、同店のサービスを利用してHDDを物理的に破壊してから廃棄すれば安心だ。