テレワーク時の打ち合わせや会議は厄介な問題。それを解決するのがオンライン会議とビデオ配信です。初めてでも失敗しないコツを日経パソコンの書籍『テレワーク実践ガイド 完全版』からお届けします。

第1回・新常態に向けて テレワークを巡る問題解決の糸口は?
第2回・相手や用途によってサービス使い分け オンライン会議 ←今回はココ

第3回・通信が遅い・機器が使えない…テレワークトラブル解決法

オンライン会議で仕事が変わる

 働き方改革の一環として、また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として一躍注目を集めたテレワーク。ICTを活用し、会社から離れた自宅などで仕事をする勤務形態だ。そんなテレワークの導入には、顔を見ながら打ち合わせができるオンライン会議や、大勢の従業員、顧客に情報発信できる仕組みが欠かせない。

離れた場所にいる人とコミュニケーションを取るオンライン会議やビデオ配信。在宅勤務・学習の導入は、災害時に限らず多くのメリットがある
離れた場所にいる人とコミュニケーションを取るオンライン会議やビデオ配信。在宅勤務・学習の導入は、災害時に限らず多くのメリットがある

 テレワークには、企業側にも働き手の側にも多くのメリットがある半面、デメリットも少なくない。中でも問題視されるのが、遠隔地とのコミュニケーションの取り方だ。会議が多い、長いといわれる日本。チームや顧客との打ち合わせや、上司への報告などが仕事時間の多くを占める人も多い。

 ビジネスの連絡手段としては、メールやビジネスチャットが代表格だが、文字だけのやり取りでは伝わりづらいことも多い。そこで、顔を見ながら、ジェスチャーを交え、資料やホワイトボードを示しながら意見交換する「場」となるオンライン会議の導入が、テレワーク成功の鍵を握る。

 遠隔地の人と顔を見ながら話ができるシステムというと、会議室などで開くテレビ会議を思い浮かべる人もいるだろう。システムとして導入されるテレビ会議には専用の機材や高品質な通信回線が必要なので、企業の拠点間など、常時連絡が必要な場所に限られてしまう。

設備が必要な従来の専用テレビ会議システム
設備が必要な従来の専用テレビ会議システム
専用の機器を使う従来型のテレビ会議システムは、音声や映像を安定して送受信できる半面、小規模オフィスや個人での導入は難しい

 それに対して、会議アプリとインターネット接続さえあれば使えるオンライン会議は導入のハードルが低く、個人でも使いやすい。動画を使った会議サービスはさまざまな呼び方があるが、ここではパソコンやスマホ、タブレットのアプリだけで使えるものをオンライン会議と呼ぶ。

 オンライン会議は、ノートパソコンやスマホなど、カメラ付きの機器とインターネット回線さえあればすぐにでも始められる。自宅だけでなく外出先から会議に参加したり、社外の人を交えて打ち合わせをしたりできるなど、自由度が高い。

これからの主流はインターネットを介したオンライン会議へ
これからの主流はインターネットを介したオンライン会議へ
インターネットを介してどこにいても会議ができるオンライン会議。自宅や外出先からも会議に参加でき、必要に応じて客先なども含めた会議が可能だ
テレビ会議室システムとオンライン会議の違い
【テレビ会議のメリット・デメリット】
○専用の機器を使うため高画質・高音質
○多人数の会議でも安定して使える
×専用システムを設置するため、初期投資がかさむ
×本支店間など、システムを設置した会議室以外では使えない

【オンライン会議のメリット・デメリット】
○インターネットが使えれば場所を問わないため、自宅や外出先でも利用可能
○カメラ付きのパソコンやスマホが使えるため、最小限の投資で始められる
○客先や外注先など、参加者を随時追加できる
○会議だけでなく、配信などにも利用可能
×使用する機器や回線によって画質や音質が下がることがある
×使用する回線やサービスによって情報漏洩などの危険性がある