通話品質にも気を配る

 オンライン会議では、相手の声をクリアに聞き取れる音質も重要だ。1対1でやり取りする場合、ヘッドセットがあると周囲の雑音を抑えられ、相手の声も聞きやすい。こちらの声も相手に届きやすい。

1人で参加するときに便利なヘッドセット。重さや接続方法も大事だが、長時間着けていても疲れない装着感のものを選びたい。有線タイプなら接続が途切れる心配もない(写真はエレコムのHS-HP27UBK)
1人で参加するときに便利なヘッドセット。重さや接続方法も大事だが、長時間着けていても疲れない装着感のものを選びたい。有線タイプなら接続が途切れる心配もない(写真はエレコムのHS-HP27UBK)

 会議室に集まって会議をする場合は、各自のパソコンでマイクとスピーカーをオンにするとハウリングが発生してうまくいかないことがある。そんなときは、参加者全員の声を拾える無指向性マイクとスピーカーが一体になったスピーカーホンを使うとよい。会議室の大きさにもよるが、集音半径が5m以上でエコーキャンセリング機能があるものが望ましい。

1台のパソコンで多人数が参加する会議で活躍するのがスピーカーホン。マイクとスピーカーが一体になっており、全員の声をまんべんなく拾えるよう、参加者の中央に置いて使用する(写真はサンワサプライのMM-MC35)
1台のパソコンで多人数が参加する会議で活躍するのがスピーカーホン。マイクとスピーカーが一体になっており、全員の声をまんべんなく拾えるよう、参加者の中央に置いて使用する(写真はサンワサプライのMM-MC35)

相手や用途によって複数のサービスを使い分け

 最後に最も重要なのが、オンライン会議サービスの選び方だ。代表的なサービスは、下記の通り。これらは、いずれも無料で試せるだけでなく、一定の条件下では無料で使い続けられる。

■無料で試せる主要なオンライン会議サービス
国内でよく使われているオンライン会議サービス。全て無料で試せる。

Cisco Webex Meetings
提供元:米シスコシステムズ
無料版接続制限:100人(1回50分)
画面共有:○
アカウントなしで参加:○
録画・録音:○(主催者のみ)
背景ぼかし:○
ホワイトボード:○
その他:投票機能、挙手機能
有料版の価格(税別):1980円/月(1ホスト当たり)、小規模チーム用の1490円/月のプランなどもある

Zoomミーティング
提供元:米ズームビデオコミュニケーションズ
無料版接続制限:100人(3人以上は1回40分)
画面共有:○
アカウントなしで参加:○
録画・録音:○
背景ぼかし:バーチャル背景のみ
ホワイトボード:○
その他:挙手機能、少人数グループの作成
有料版の価格(税別):2000円/月など(1ホスト当たり)

Google Meet
提供元:米グーグル
無料版接続制限:100人(1回60分)※9/30までは最長24時間
画面共有:○
アカウントなしで参加:△
録画・録音:△(プランによる)
背景ぼかし:×
ホワイトボード:△
その他:G Suiteアプリと連携
有料版の価格(税別):個人ユーザーには無料、企業にはG Suiteとして提供・680円/月(1ユーザー当たり)など

Microsoft Teams
提供元:米マイクロソフト
無料版接続制限:250人
画面共有:○
アカウントなしで参加:×
録画・録音:○(無料版は×)
背景ぼかし:○ バーチャル背景もあり
ホワイトボード:○
その他:挙手機能、Officeアプリを使った共同作業
有料版の価格(税別):540円/月(Microsoft 365 Business Basic、1ユーザー当たり)など

Skype(※2020年8月現在、新規申し込みを停止中)
提供元:米マイクロソフト
無料版接続制限:50人
画面共有:○
アカウントなしで参加:○
録画・録音:○
背景ぼかし:○
ホワイトボード:○
その他:字幕の自動作成
有料版の価格(税別):固定電話などへの通話を除き、無料

 なお、ここで紹介した機能はあくまでも2020年8月現在のものだ。各サービスとも、それぞれの強みと技術基盤をベースに開発ペースを上げており、毎月のように新機が付加されたり、既存機能が強化されたりしている。昨日まではできなかったことが今日はできるようになっている、といったケースも当たり前のようにあるので、使い始める前に一度確認してみよう。

 また、実際のビジネスシーンでは、組織が導入しているシステムだけでなく、取引先など相手先の都合に合わせて複数のサービスを使い分ける必要がある。社内の会議等はTeamsで統一されていても、社外とはZoomミーティングやGoogle Meet、あるいはCisco Webex Meetingsを適宜使い分ける、といった人は多いはずだ。

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