iPhoneはiOS 13でもっと便利になる――オンラインサービスを利用する際に欠かせないアカウントとパスワード。iPhoneをさらに安全に使うために、iOSの標準の強力なパスワード作成と管理、自動入力機能で安全に利用しよう。

 オンラインサービスなどで利用するアカウントとパスワードの組み合わせが増えてくると管理がとても大変になる。安全面に配慮して簡単に推測できない複雑なパスワードを設定し、使い回さないようにすることはもはや常識だが、そうはいっても人の記憶力だけではかなり難しい。

 そこで、iOS標準の「キーチェーン」機能を使って安全かつ簡単にパスワードを管理する方法を紹介しよう。

安全のために手入力しない

 iPhoneでは本体のロックを解除する仕組みに「Touch ID」(指紋認証)や「Face ID」(顔認証)といった生体認証方式が採用されており、簡単な数字の組み合わせを利用する「パスコード」は限られた場面でしか入力を求められない。生体認証では素早く簡単に認証できるだけでなく、手入力方式よりも安全性が高いといわれている。パスコードは簡単に推測されたり、指の動きから盗み取られたりする恐れもあるからだ。

 アカウントやパスワードも同様で、手入力を読み取られる可能性のほか、手入力することを想定していると、複雑な文字や記号を使わずに短くて意味のあるパスワードを設定してしまいがちになる。手入力しないことを前提にして作成したほうが、強力なパスワードを安心して設定できるはずだ。

 iOSには一度入力したアカウントとパスワードを保存し、次回からTouch IDやFace IDを使って自動入力する「キーチェーン」と呼ばれる機能がある。

パスワードはもう手入力しない
パスワードはもう手入力しない
アカウントやパスワードは毎回手入力するよりも、標準機能の「キーチェーン」や管理アプリなどを使って自動入力する方が安全。自分が覚えられない複雑なパスワードも簡単に入力可能だ

 Webブラウザーの「Safari」やアプリで入力するログインのためのアカウントとパスワードなどがこのキーチェーンで一元管理されており、確認も簡単だ。

標準機能の「キーチェーン」って何?
標準機能の「キーチェーン」って何?
Webブラウザーの「Safari」などで入力したアカウントとパスワードは「設定」の「パスワードとアカウント」(キーチェーン)に保存されている

 アプリからキーチェーンを利用するにはあらかじめSafariなどのWebブラウザーでアカウントとパスワードをキーチェーンに保存しておかなければならない場合が多い。

 iPhoneでキーチェーンを表示するには「設定」→「パスワードとアカウント」→「WebサイトとAppのパスワード」とタップするが、その際にTouch IDやFace IDでの認証が必要になり、他人には開けないようになっている。