脳や体の興奮は眠りの質を悪くする
寝付きや眠りの深さ、寝起きの満足感には、体内時計やホルモンだけでなく、自律神経や体温リズム、睡眠-覚醒リズムなどの複数の要素が影響する。
一般的に、夕方すぎの適度な運動や就寝2時間前の入浴は、睡眠の質を改善する。しかし、夜寝る前の食事や熱過ぎる風呂、激しい運動は、交感神経を活発にして体を活動モードにしてしまう。「何事もほどほどが大事」と三島教授。
「ベッドに本やスマホなど不要なものを持ち込まないことも大事」と菅原さん。「脳は場所と行為をセットで記憶する。ベッドを『寝るための場所』と記憶させることで、ベッドに入るだけで眠れるようになる。寝る前に本を読むなら、ベッド脇に専用の場所を作って」(菅原さん)。
・寝る前の熱い風呂は避ける
・ベッドの中は寝るだけの場所に
・寝つけないときは一度布団から出る
・首の後ろと仙骨を温める
「首の後ろと仙骨のあたりには副交感神経節があり、ここをカイロや湯たんぽなどで温めると、副交感神経が活性化され、眠りに入りやすくなる」(菅原さん)
秋田大学大学院 医学系研究科 精神科学講座 教授
ユークロニア代表取締役社長 作業療法士
杏林大学医学部精神神経科学教室 教授(当時)
上編「体内時計を整える メラトニン睡眠術3つのテクニック」はこちらでお読みいただけます。
取材・文/堀田恵美 写真/鈴木愛子