コルチゾールは言葉でコントロール
目覚ましが鳴っても体がだるくて起き上がれない──。「それはまだ起きる準備ができていないから」と菅原さん。体に起きる準備をさせるのがコルチゾールだ。
コルチゾールの分泌は体内時計に支配されていて、起床時刻から逆算して分泌が始まる。すると、徐々に血圧や血糖値、交感神経の活動が高まり、体が活動しやすい状態になっていく。
そのため、起床時刻は「どれだけ寝たか」という睡眠量の影響以上にコルチゾールに左右されるという。「コルチゾールが十分にあれば多少睡眠時間が足りなくても目は覚める。逆にコルチゾールが十分にないタイミングで起きるのはとてもつらい」と菅原さん。
興味深いことに、コルチゾールは「言葉」によってコントロールできる。「いつもと違う時刻に起きなくてはならない場合も、起きる時刻を3回唱えてから眠るだけで、その時刻に合わせてコルチゾールが分泌され、時間どおりに目覚めることが確認されている」(菅原さん)。
□日によって起きる時間帯が異なる
□目覚ましのスヌーズ機能を使っている
□夜中に目が覚めると時間を確認してしまう
習慣で起きる時刻を体に刻む
・毎日同じ時刻に起床する
毎日同じ時刻に起きていると、体内時計に起床時刻が刻み込まれるため、多少就寝時間が遅くなっても朝はきっちり目覚められる。生活が不規則な人は、寝る前に「明日は○時起き」と意識してから寝る習慣をつけよう。
・夜中に目が覚めても時計は見ない
夜中いつも同じ時間に目が覚めるという人がいるが、これは、「目が覚めたときに時計で時間を確認したことで、コルチゾールの分泌リズムにその時間が刷り込まれてしまったから」と菅原さん。夜中に目が覚めても時計は見ないこと。
・目覚まし時計のスヌーズ機能(※)は使わない
「スヌーズ機能を使い続けると、目覚めが悪くなり、起床後の活力も低下するという研究がある」と菅原さん。できるだけスヌーズは使わず、自身のコルチゾールリズムで起きるようにしよう。