なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚める、起きてもすっきりしない──。そんな睡眠悩みは睡眠ホルモンリズムのずれが原因かも。夜しっかり眠れて朝すっきり起きるための3つのテクニックを紹介しよう。

ベッドに朝日が差し込む。起床後に朝日を浴びて体内時計をリセットしよう
ベッドに朝日が差し込む。起床後に朝日を浴びて体内時計をリセットしよう

 睡眠には、脳や体を休ませるだけでなく、成長ホルモンの分泌を促し、日中の活動で傷ついた組織を修復したり、肌や骨の新陳代謝を促したりする重要な役割もある。この大事な睡眠に関わるのはメラトニンとコルチゾールというホルモンだ。

 「メラトニンは、全身に夜が来たことを伝えるホルモン。起床の15時間後くらいから分泌が始まり、『そろそろ寝る時間だぞー!』と、全身の細胞に寝る準備を促し、睡眠中は眠りが持続しやすい環境をつくる。一方、コルチゾールは、メラトニンが出始めてから5~6時間後、深夜から朝に向けて分泌量が急増し、全身に『そろそろ起きる時間ですよ』と知らせるホルモン。目覚めやすいよう、血糖値や血圧を上げる」と秋田大学大学院 医学系研究科 精神科学講座の三島和夫教授は説明する。

睡眠関連ホルモンの1日の分泌リズム 
睡眠関連ホルモンの1日の分泌リズム 
青い線がメラトニン、オレンジ色がコルチゾール、黒い点線が成長ホルモンを表す。メラトニンとコルチゾールの分泌リズムを決めるのは体内時計。朝日でリセットした体内時計の指令に従い、メラトニンやコルチゾールが分泌される。睡眠時に大量に分泌される成長ホルモンは、体内時計ではなく睡眠そのものに分泌がコントロールされている