心身に多様な不調があり、医者通いをしてもなかなかよくならない……。そんな「不定愁訴」は女性ホルモンの仕業と思いがちだが、実は甲状腺に原因がある場合も。症状から自己判断するのは難しいので、まずはかかりつけ医で血液検査を受けてみて。

のぼせる、イライラする、寒がりになる…。バセドウ病・橋本病は更年期の症状にそっくり。甲状腺ホルモンの異常が原因の場合もある
のぼせる、イライラする、寒がりになる…。バセドウ病・橋本病は更年期の症状にそっくり。甲状腺ホルモンの異常が原因の場合もある

 甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、「元気の素」とも呼ばれ、全身の代謝に関わり、骨や筋肉、神経に至るまで、すべての臓器が影響を受ける。このホルモンの分泌に異常が起こると、多様な不調が全身に表れる。

 だが、「動悸(どうき)があれば心臓の病気、むくみがあれば腎臓の病気という具合にほかの病気を疑い、循環器科や婦人科へ行っても原因が分からず、長い間不調に苦しむ人が多い」と、金地病院の山田惠美子院長。

 甲状腺ホルモンに関わる病気の中で患者数が多いのがバセドウ病と橋本病。甲状腺ホルモンが多すぎるのがバセドウ病、甲状腺ホルモンが不足しているのが橋本病だ。チェックリストに当てはまるものがあるか、試してほしい。

こんな症状があったならバセドウ病かも

□イライラする
□眼球突出
□動悸、脈が速くなる
□暑がり
□汗を多量にかく
□やせる
□手指が震える
□皮膚がかゆい
□不眠
□月経不順
□経血量が少ない
こんな症状があったなら橋本病かも

□記憶力が低下
□気分が落ち込む
□やる気が出ない
□疲れやすい
□声がかすれる
□寒がりになる
□むくむ
□眠たい
□動作がゆっくりになる
□体重増加