トイレに座っているときの姿勢も気をつけよう

 洋式のトイレで腰を丸める姿勢では、骨盤底筋群は緩みにくくなる。「便が出にくくなるため、この姿勢のまま排便時にいきむことをクセにしていると少しずつ筋肉が傷つき、出産していない人や若い人でも尿もれになることも」(田舎中さん)。

 では、どのように整えればいのか? まずは、姿勢やいきむクセを見直すところから始めて、さらに「動かす」練習をするのがいいという。

 「骨盤底筋群は、適度な柔軟性を保つことが大切」と話す田舎中さんのお薦めは、骨盤底筋群の前側を斜め上へ引き上げるトレーニング。「肛門を締めるような動きではなく、おしっこを途中で止めるときに膣を引き上げる感覚」(田舎中さん)。

 なるべく早くからクセをリセットして鍛えておくことで、尿もれや仙骨・恥骨痛を防ごう。

骨盤底筋群を柔軟に保つための3カ条

1. 骨盤底筋群に負担がかかる骨盤を後傾させた座り方や、排便時の姿勢、いきむクセを見直す。

2. 座るときも、お尻から座面につけるのではなく、太ももの裏からつけるように股関節を曲げて、骨盤を前傾させるように意識する。

3. 骨盤底筋群と腹横筋は連動する。「ピラティスのような腹圧を高める運動では、手足を動かすなど動く前に腹を凹ませて」(田舎中さん)。

× 骨盤が後傾した姿勢
 腰が丸まり骨盤が後ろに倒れた状態では骨盤底筋群を緩ませにくく、便が出にくい。いきむと筋肉にダメージが。

○ 骨盤が前傾した姿勢
 骨盤を前傾させると骨盤底筋群が緩みやすくなって排便しやすい。背骨は自然なS字を保ち、股関節をしっかり曲げて。

田舎中 真由美
フィジオセンター理学療法士
田舎中 真由美 尿失禁の理学療法を米国で学び、2003年にフィジオセンターを設立。産後の恥骨痛、仙腸関節痛や骨盤底部のトラブルなどに詳しいコンディショニングのスペシャリスト。新刊『胸ひらきで調子のいい自分がずっと続く』(主婦の友社)のほか、翻訳に『産後リハにおける腹部・骨盤へのアプローチ』(丸善出版)。

取材・文/西山裕子(日経ヘルス編集部) イラスト/いたばしともこ 図版/トキア企画 イメージ写真/PIXTA

日経ヘルス2017年11月号掲載記事を再構成

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