インナーマッスルは背骨の負担を減らす

 名称をアウターとインナーに戻そう。では、これらの筋肉と体幹は関係するのか。

 「体幹を動かそうとしたとき、アウターマッスルばかりが動いてしまうと、ダイナミックな動きはできますが、背骨の一部に負荷がかかった動きになります。特に、背骨の一番下の第5腰椎と、その1つ上の第4腰椎です。私もかつてこの部位の手術を多数手がけてきました。腰の痛みの大きな原因、椎間板ヘルニアも脊柱管狭窄症もこの部位が多いのです」(金岡教授)。

 しかし、背骨を安定させ、繊細な動きを担っているインナーマッスルがしっかり働くと、背骨がなめらかに動かせるようになり、負荷が分散されて痛みを起こしにくくなるという。

アウターマッスル中心だと第4と第5腰椎の間に負荷

 体を前に倒したとき、アウターマッスル中心だと、背骨がなめらかな動きをしないので、一部の椎骨に負担がかかる。「背骨のうち、特に第4、第5腰椎に負荷がかかることが多い」(金岡教授)。


インナーマッスルがしっかり働くとなめらか

 インナーマッスルが機能していると、背骨がなめらかに動くため、負荷を、椎骨一つ一つに分散できる。一部に負荷がかかりにくい。