役割が異なる体幹の2種類の筋肉を知ろう

 外側のアウターマッスルと、内側のインナーマッスルについて確認しよう。それぞれ役割が異なる。

 「これを私たちは、グローバル筋と、ローカル筋と呼びます。外側にあるグローバル筋は、背骨のダイナミックな動きを担いますが、背骨1つ1つの繊細な動きはできません。一方、ローカル筋は、背骨を安定させ、細かな動きを支えています。いわば、グローバル筋は新幹線のように大きな距離を一気に結ぶもので、ローカル筋は、ローカル線のように地方の1駅1駅を結ぶイメージです」と話す。

アウターマッスル 表層筋・グローバル筋

 腹直筋、腹斜筋、脊柱起立筋の3つ。表面に近く、浅いところにある筋肉で、「背骨には直接ついていない」(金岡教授)。

腹直筋…お腹の中央を縦に走る筋肉。体幹を前に曲げる(屈曲する)役割がある。

腹斜筋…わき腹にある内腹斜筋と外腹斜筋からなり、体幹をねじったり、前、横に曲げるときに働く。

脊柱起立筋…背中の中央を縦に走るいくつかの筋肉の総称で、背中を反らしたり、横に曲げたりする。

インナーマッスル 深層筋・ローカル筋

 腹横筋、多裂筋の2つ。内側にあり、背骨の1つ1つの骨「椎骨(ついこつ)」を安定させたり、細かな動きをコントロールする。

腹横筋…お腹の一番内側をぐるっと腹巻きのように取り囲む。「椎骨」を安定させる働きがある。

多裂筋…背中側の深層筋で、椎骨1つ1つにつく。椎骨の細かい動きを担っている。