「若返りホルモン」、すなわち分泌が減ると不調になるホルモンや若返り作用を持つホルモンを増やすためには、食事、運動、睡眠の見直しが有効だ。当たり前すぎる話だと思いがちですが、ホルモンの観点で考えると意外なコツがあります。若返りホルモンを増やし、老化ホルモンを減らすために必要な「ホルモンケア」を学びましょう。雑誌『日経ヘルス』からお届けします。

■前回記事も参考にしてください
老化ホルモンと若返りホルモン 黄金バランスを保つには

食事、運動、睡眠の習慣を「ホルモンの観点」から捉えてみよう
食事、運動、睡眠の習慣を「ホルモンの観点」から捉えてみよう

 5大若返りホルモン(エストロゲンテストステロンDHEA=デヒドロエピアンドロステロン、メラトニン成長ホルモン)を増やす方法は、5つのホルモンを2グループに分けると考えやすい。

 まずは、エストロゲン、テストステロン、DHEA。いずれもコレステロールを原料に作られるホルモン(ステロイドホルモン)で、強固な構造を持つ。口から摂取しても消化酵素で分解されにくく、腸から吸収されてある程度効き目が出る

 一方、成長ホルモンとメラトニンは、アミノ酸がつながった構造のペプチドホルモン。口から摂取すると、消化酵素の働きで個々のアミノ酸に分解されてしまうため効果が出ない。こちらは睡眠の改善や、運動でアプローチすべきだ。

 では、2つの老化ホルモンはどうすればいいか。「いずれ出にくくならないように、過剰には出させない」ことが重要だ。

 インスリンを出しすぎないためには、食事で糖質をとりすぎないことはもちろん、「筋(骨格筋)量を維持することが大切。筋肉は全身で使われる糖の約半量を使う、最大の消費者なので、筋量が減ると血糖値は高く止まりやすく、インスリンがたくさん必要になる」と東京大学大学院医学系研究科の笹子敬洋特任助教はいう。太り過ぎも良くない。「体脂肪が多いと、脂肪細胞から出るホルモンが変化して、インスリンが効きにくくなり、インスリンの出が過剰になってしまう」(笹子特任助教)。

 コルチゾールを出しすぎないためには、体にストレスとなるものを減らそう。「すでに疲れている人は、睡眠をとることが大事な仕事です」(スクエアクリニックの本間良子院長)。

 次ページからは、若返りホルモンを増やし、老化ホルモンを減らすために習慣にしたい3つの行動を紹介する。