成長ホルモンの分泌を上げることで脂肪が分解される

 ポイントは、成長ホルモンだ。成長ホルモンは、細胞の修復作用がよく知られており、「アンチエイジングホルモン」ともいわれる。「成長ホルモンには、体内に蓄積された脂肪を分解する働きがあります。しかし、睡眠時間が短かったり、眠りが浅かったりすると、成長ホルモンの分泌量が落ちる。すると、脂肪が体にどんどん蓄積します。これが睡眠とダイエットが関係する理由です」と左藤さんは語る。

■睡眠中に分泌される成長ホルモン
■睡眠中に分泌される成長ホルモン
20〜26歳の10人を対象に24時間、10分ごとに血中の成長ホルモン値を調べたデータ。23時から7時までが睡眠中。確かに寝はじめの3時間に成長ホルモンが多く分泌されている。(データ:Lancet;356,Oct21,2000より一部抜粋)

 だから、3・3・7睡眠法でも最も大切なのが、最初の「3」、つまり成長ホルモンが出る寝はじめ3時間をまとめて寝るということだ。実際、眠り方を変えるだけで、1年で10kgも体重を落とした人が何人もいるという。

 ちなみに、この睡眠法を心がけると、「食欲をコントロールできるようになった」という人が多いという。「海外の研究でも正しい睡眠をとると、正常な食欲になることがわかっています」(左藤さん)。こういう点でもダイエットに役立つ、というわけだ。

■半信半疑で睡眠を変えたら半年で17kg減(Iさん・58歳)
 左藤先生に指導を受けたのは、2014年7月。そのころは、尿酸、血圧、糖尿病の薬をのんでいました。3・3・7睡眠法の指導とともに、空気清浄機を置くようにいわれ、買って設置しました。また、プロテインとビタミン・ミネラル摂取も薦められました。

 最初は半信半疑でした。でも、小さいころから鼻づまりだったんですね。空気清浄機でぐっすり眠れるようになりました。すると、85kgあった体重が半年で17kgも落ちたのです。尿酸値、血圧、血糖値が正常になって、薬も不要に。現在も、70kgくらいでキープしています。
半信半疑で睡眠を変えたら半年で17kg減した方Iさん