幅広い年代の女性に多い悩みの一つである、手指の痛み。疲れや使い過ぎが原因かと思いきや、思わぬ病気が潜んでいることも…。女性ホルモンとの関連も最近では見直されてきているため、いま現在、痛みがある人はもちろん、将来の手指の痛みや変形を防ぐ方法を紹介する。

わずらわしい手指の痛み…これも原因は女性ホルモン?
・手指の痛みは放置NG 10年後の変形を防ぐための対策←今日はココ

腱や関節の腫れや痛みは放置すると将来変形することも

 出産前後の痛みはホルモン分泌が戻ると自然に消えるが、更年期前後の痛みは要注意。「加齢で組織が硬くなっているところに日常動作で力が加わり続けることで、時とともに変形が進む」(四谷メディカルキューブ手の外科・マイクロサージャリーセンターの平瀬雄一センター長)。

 一方、若い世代はささいなケガに注意を(下記コラム)。「若いと、むしろ靭帯などの組織が柔らかいがために、手を強くひねったりした拍子に亜脱臼などのケガをしやすい。動かさなければ我慢できる痛みだからと放置すると、ゆるみが残り、要手術になることが」(NTT東日本関東病院の大江隆史整形外科部長)。

早く受診して!

◆30代、40代に多いけが
靭帯などの組織がゆるんで傷むCM関節症とTFCC損傷

 CM関節は親指の付け根の関節、TFCCは手首の小指側の内部にある靭帯や軟骨が集まった組織。いずれもささいなことでゆるみ、損傷しやすい。「すぐ受診すれば約3週間の固定でほとんどは治る」(大江整形外科部長)。

□ 最近、転んで手を突く、手をひねるなどのアクシデントがあった
□ じっとしていると痛くないが、力を入れると痛い

◆40代以降の手の骨折
手の骨折は骨粗しょう症の最初のサイン

 女性ホルモン減少に伴い、骨粗しょう症と骨折リスクが上昇。「最初に骨折しやすいのが前腕にある橈骨(とうこつ)。45歳を過ぎたら一度骨密度検査をし、低めなら食事の見直しや運動で転倒予防を」(大江整形外科部長)。