腫れや熱感症状のうちに将来の痛み・変形を防ぐ

 手の疾患は腫れや熱感が代表的な初期症状。「症状が出てから変形まで7〜10年かかる。ケアや治療など適切な対策をとるのが早ければ、変形やそれに伴う痛みなどの症状の慢性化を防げる」(平瀬センター長)。違和感が出たらすぐケアを始めて。

 ケアの基本は「痛むときには安静に」。「関節部分をテーピングで固定すると負担減に。痛まないときも、できるだけ負荷をかけない工夫(次のページで紹介)で予防を」と四谷メディカルキューブ作業療法士の伊川真実さん。

 中でも「つまみ動作」は要注意。「母指(親指)と他の指の位置関係から、つまんだとき母指と他の指はぴったり上下に合わさらず、わずかにねじれる。この状態で力をかけることが指への負担になる」(大江整形外科部長)。

 血行を促すことで痛みが和らぐ場合も少なくない。平瀬センター長が薦めるのはサプリなどでのビタミンEの摂取。「特に40代以降はビタミンEの体内への吸収が悪くなるともいわれる。寒い時期だけでも補給するとよい」(平瀬センター長)。

 セルフケアしても痛みが引かない場合や、腫れて熱をもつなど、明らかに炎症が起きている場合は手外科専門医の受診を。