手と手首に痛みが出る主な病気

指の関節が腫れて痛む
へバーデン結節/ブシャール結節

原因不明で指の関節のすき間が狭くなったり関節が変形したりする。初期は腫れや熱感が主症状。第一関節に起こるものをへバーデン結節(下図)、第二関節をブシャール結節と呼ぶ。

【ここが痛い】
● 人さし指〜小指の関節が腫れ、痛み、動きが悪くなる
● 悪化すると曲がってくる
● 水ぶくれのようになることもある

【放置すると】
関節が変形し、指が曲がってしまう。慢性的な痛みや動かしにくさも伴う。

指を曲げる腱が炎症を起こす
ばね指

 指を曲げる腱(屈筋腱)は浮き上がりを抑える靭帯性腱鞘というトンネルを通っている。腱とこの腱鞘との間で炎症が起こると、腱の動きがスムーズでなくなりばね指が起こる。

【ここが痛い】
● 指の付け根に腫れや痛み、熱感が生じる
● 指が伸びない
● 無理に伸ばすとバネのように急に伸び、痛む
● 寝起き時に症状が強く出る

【放置すると】
腱鞘や腱が硬くなるなどで腱の動きがますます悪くなり、指が曲がったままになる。

手関節部分にある神経が圧迫されて痛む
手根管症候群

 手のひらから手首にかけて通っている正中神経が、やはり手のひらにある横手根靭帯などから成る手根管というトンネルで圧迫されるために、その先の指にしびれや痛みが起こる。

【ここが痛い】
● 人さし指、中指にしびれや痛みが出る(くすり指や親指に及ぶことも)
● 寝起き時に症状が強く出る
● 手を振ると楽になる

【放置すると】
親指の付け根がやせ、OKサインの形がつぶれる(写真上右)。手先を使う作業が困難に。

親指を動かす腱が炎症を起こす
ドケルバン病

 手首の親指側にある親指を広げる腱と、親指を伸ばす腱の2本が炎症を起こし、腱鞘という腱を通すトンネル部分で、この2つの腱がスムーズに動けなくなるため腫れや痛みが起こる。

【ここが痛い】
● 手首の親指側が腫れる
● 親指を内側に握りこぶしをつくり、手首を小指側に曲げると痛む

【放置すると】
腱鞘の部分が厚くなったり、表面が傷んだりして、炎症と腫れや痛みが強まり、親指が動かしにくくなる。

(症例写真提供3点とも/四谷メディカルキューブ)