「耳の詰まり」症状を予防する呼吸法
突発性難聴、低音部型難聴、メニエール病には心身のリラックスが大切。それには「お腹の膨らみを意識する腹式呼吸がいい。脳の交感神経の興奮が鎮まり、耳鳴りや耳詰まり感の解消にも即効性がある。病気の予防にもなる」と石井診療部長。
ヨガ指導者でもある石井診療部長は難聴の治療の一環として『第二頸髄(けいずい)刺激呼吸法(C2呼吸法)』、『ハチの羽音呼吸法』などを取り入れている。C2呼吸法は、首の後ろを通る第二頸髄という神経と筋肉を自重で圧迫して一度交感神経を高め、次に緩めて緊張をとる方法。「12週間続けたあとに自律神経などを測定したら、副交感神経が優位になって症状が改善していた」と石井診療部長。またハチの羽音呼吸法でも、「α波が高くなって副交感神経が活性化するデータがある」(石井診療部長)。
一方、難聴の改善には、「血流をよくするといいことが分かっているので、ウオーキングなどの有酸素運動も積極的に行いたい」と国際医療福祉大学病院耳鼻咽喉科の中川雅文教授は話す。
◆第二頸髄刺激(C2)呼吸法
耳の詰まり、耳鳴りが半減、肩こりもとれる
1. 後ろで手を組み合わせる
椅子に座り、足を肩幅に開く。両腕のひじを曲げたら、腰の後ろのあたりで両手を組み合わせる。
2. 上体を倒したまま呼吸をゆっくり3回
鼻から息を吸い、吐きながら上体を前に倒し、腕を上に上げて肩甲骨を両側から挟む。3回呼吸。
3. お腹を意識して、さらに呼吸
鼻から息を吸いながら頭を上げ首と腕を引き寄せる。3秒キープ。息を吐きながら頭を戻す。
◆ ハチの羽音呼吸法
脳と自律神経をリラックスさせ耳の詰まりを軽減
1. 両耳に人さし指を入れ準備姿勢
上体をやや前に倒して椅子に座り、テーブルに両ひじをつく。両手の人さし指を両耳に浅く入れる。
2. 「ウーン」といいながらお腹をへこませて吐く
お腹が膨らむのを意識して、鼻からスッと息を吸う。小さな声で「ウーン」といいながら息を吐く。
3. 5分間呼吸法を続ける
息が苦しくなる一歩手前で、鼻からスッと息を吸って、また「ウーン」といいながら息を吐く。