耳が詰まった感じがする、耳鳴りがする……何の前ぶれもなく、急に耳の聞こえが悪くなったり、耳鳴りが何分も続いたら、一刻も早く病院へ行きましょう。内耳で障害が起きる突発性難聴は、いかに早く治療を始めるかで治り方が違ってきます。今回は、女性に多い耳の病気の基礎知識をお伝えします。
難聴は1週間以内の早期治療がカギ
40歳代半ばから聴力は衰え始め、周囲が騒がしいと声が聞き取りにくい、話を聞き返すということが多くなってくる。これは誰にでも起きる加齢現象で心配はない。しかし、急に音が聞こえづらくなった、突然、耳が詰まった感じがして解消されないなどの異常を感じたら要注意。
「年代に関係なく難聴を訴える人が増えている。特に突発性難聴や、女性が約8割を占める急性低音障害型感音難聴(以下低音部型難聴)、メニエール病が多くなっている」とJCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科の石井正則診療部長は話す。
これらの病気の初期症状は似ており、耳が聞こえないといった聴力の異常に加え、耳鳴り、めまいを伴うことが多い。
「メニエール病は増加傾向にあるとはいえ、基本的にはまれな病気。最も注意したいのは突発性難聴。放置すると聴力に問題が残ることがある。異常を感じたらまず突発性難聴を疑い、遅くとも1週間以内に耳鼻咽喉科の受診を。早く治療するほど改善しやすい。もし低音部型難聴であっても治療法は同じ」と国際医療福祉大学病院耳鼻咽喉科の中川雅文教授。