新常識4・階段を下りるほうが上るよりも筋肉を増やす
→ブレーキをかけるような力の入れ方のほうが筋肉は1.2〜1.4倍の力を発揮
階段は、下りるときのほうが、筋肉が発揮する力は大きい。筋肉は縮むときも伸びるときも収縮する。「筋肉が縮みながら収縮する運動に比べ、筋肉が伸びながら収縮する運動では、使われている筋細胞は、より大きな力を出している」(石井さん)。階段でいえば、ひざを伸ばしながら体重を支える下りのほうが、筋肉にかかる負荷が高く、筋肉も太くなりやすいという。
「せめて下りは階段を使って。やせたい人は有酸素運動になる上りも使いましょう」(石井さん)。
新常識5・筋肉を増やすなら筋トレ前に有酸素運動
→筋トレ前の有酸素運動で筋肉合成が進む。脂肪を燃やすには筋トレが先。逆順なら脂肪が減る
筋トレの質を高めるには、有酸素運動を組み合わせて行うのがいい。だが、どちらを先にするかで、筋トレの効果が大きく変わってくる。「脂肪を落とすのが目的の場合は、筋トレ→有酸素運動の順番が効果的。筋たんぱく質合成の観点から有酸素運動→筋トレがよい。だが、筋トレの質が落ちてしまっては元も子もない。筋トレに自信がない人は、筋トレ→有酸素運動の順番で行い、筋トレの効果を上げたいときは、筋トレの後、3時間以上あけるのがよいだろう」(石井さん)。
前東京大学大学院教授
取材・文/西山裕子(日経ヘルス編集部) 写真/鈴木 宏(モデル)、PIXTA(イメージ写真) モデル/島村まみ