新常識2・なまけている大きい筋肉を鍛える

→筋肉は新しい刺激で増える。大きい筋肉のほうが伸びしろも大きい

 筋肉は年齢とともに減っていくが、女性の場合、下肢の筋肉の減る割合が大きい。なかでも太ももの前側の大腿四頭筋が減りやすく、お尻の筋肉も同様に減りやすい。「筋トレをするならとりあえずスクワット」といわれるゆえんだ。

 石井さんによると、「太ももや大きい筋肉のほうが、糖質、脂質などの代謝に及ぼす影響が大きい。ホルモン様物質の分泌量についても、大きい筋肉のほうが多いと考えられる」。

 筋トレをするなら大きい筋肉、特に座りすぎでなまけた太ももとお尻から始めよう。もう十分太いから大丈夫と思った人も、脂肪たっぷりで太い場合はご用心!

■80歳で脚の筋肉は約3割減る
■80歳で脚の筋肉は約3割減る
日本人4003人を対象にした、部位別の筋肉量の加齢による特徴の調査。男女とも下肢は加齢で顕著に減少。20歳と80歳を比較すると、女性は、全身の筋肉が11%減少し、特に下肢の減少率(14.4kg→10.3kg)が約3割と高い。(データ:日老医誌;47,52-57,2010)

新常識3・意識すると効果がアップ

→拮抗筋が働いて負担が増す

 「使っている筋肉を意識すると筋トレ効果が高まる」というが、これが「気のせい」ではないことを示す報告がある。筋トレマシンでゆっくり脚を伸ばすレッグエクステンションをする際、ももの前側の大腿四頭筋に意識を集中したところ、大腿四頭筋と、拮抗するももの裏側のハムストリングスの、両方の筋肉の活動が上がった。2つの拮抗する筋肉がせめぎ合いながら働くことで、筋トレの負荷が上がるのだ。