裏面の磨き方・角度を工夫して細かくつつく

 歯の裏側も同様に行おう。歯の裏側は磨きにくいが、手首をひねって角度を工夫しながら、歯ブラシの先端を上手に歯と歯のすき間に回り込ませよう。満遍なく刺激をすれば、歯ぐきの裏面も若返る。

 「実験では、歯ブラシの当たっているところから1mm離れると、歯ぐきの新陳代謝は活性化されなかった」と山本教授。歯ぐきを指で直接マッサージして刺激するのも効果的だ。

 歯間ブラシを使っている人も多いだろう。「歯間ブラシは、歯垢を取るのには有効だが、新陳代謝を促すには刺激の強さが足りない」と山本教授。また、歯ブラシを横向きに大きく動かす「横磨き」は、力を加えすぎると歯ぐきの結合組織にダメージを与えやすい。気をつけよう。

 つまようじ磨きは刺激を与えたところにだけ効果が出るので、裏面も余すところなく磨きたい。奥歯など歯間が狭い場合は「毛先が1、2本くらい入ればいい」(山本さん)。

■1.上の歯は歯ブラシを縦に持って裏からつつく
歯の裏側から毛の先端を出し入れする。1カ所10~20秒繰り返す。歯ブラシを縦ぎみに持つとやりやすい。

■2.下の歯は歯ブラシを斜め下に向けてつつく
歯ブラシの先を斜め下に向けて持ち、裏側から毛先で歯間を軽くつつくようにする。1カ所10~20秒程度。

■3.奥歯は毛先を直角に当ててつつく
歯ブラシを水平にして、毛先を直角に当てて歯間をつつく。すき間が狭ければ1、2本入る程度でOK。1カ所10~20秒程度。


1日1回の 「つまようじ磨き」でコラーゲン活性が2倍に
1日1回の 「つまようじ磨き」でコラーゲン活性が2倍に
12匹の犬を使った実験。歯垢を除去し、1日2回「つまようじ磨き」を行った群と、1日1回行った群、2日に1回行った群に分け、歯肉の線維芽細胞のコラーゲン合成活性を観察した。1日2回と1日1回行った群では歯垢除去のみの場合と比べて、8週後にコラーゲン合成活性が2倍に増えた。(データ:JClinPeriodontol;Jan,31,1,:40-44,2004)

つまようじ磨きを行いやすい歯ブラシは?

「つまようじ磨き」を行いやすい歯ブラシを選ぶと続けやすい。口の中で小回りが利き、毛先が歯と歯の間に入りやすいものがお薦めだ。選ぶポイントは…

・歯ブラシの頭の幅が狭くてコンパクト
・毛足が長め
・毛がしなやか

手持ちの歯ブラシをカッターで1列切ってもOK
手持ちの歯ブラシでも、ひと手間加えるだけで「つまようじ磨き」がしやすくなる。「3列並んでいる毛を1列、カッターなどできれいに切るだけ」と山本教授。