歯の表面も裏面も「つまようじ磨き」で歯周病予防

 つまようじ磨きは、岡山大学名誉教授の渡邊達夫さんが提唱した方法。つまようじのように歯と歯の間を、歯ブラシの毛先を使って刺激する磨き方だ。

 「歯ぐきが刺激されると歯ぐきの新陳代謝が上がる。歯ぐきの細胞は9~18日で生まれ変わるが、動物実験ではつまようじ磨きのような機械的刺激を受けた歯ぐきは、刺激を受けていない歯ぐきに比べて代謝速度が2.5倍に高まった」(山本教授)。

 このつまようじ磨きは、歯周病の予防だけでなく改善効果もある。「続けると、歯ぐきの炎症が治まり出血しにくくなる。歯周病菌は血液に含まれる鉄分をエサにしているので、歯周病菌自体も減る」(山本教授)。

 「効果は歯ブラシが当たっている部分にしか表れない」(山本教授)ので1カ所当たり10~20秒を目安に行おう。1日1回、1週間続けると、歯ぐきが引き締まった実感を持てる。まずは行いやすい表面から始めよう。

まずは1週間トライ! つまようじ磨きのポイント
・歯ブラシの毛先を、つまようじのように歯と歯の間に差し込み、1カ所10~20秒、毛先を細かく滑らせるように磨く
・1日1~2回、軽い力で行う
・表面と裏面(次ページで紹介)の両方を行う
・お風呂に入りながら10分間行うのがお薦め

表面の磨き方・表側から差し込んで細かく動かす

 歯ブラシを歯と歯の間に押し込み、歯ブラシの毛先が反対側に突き出るように意識する。「つまようじ」で歯と歯の間に詰まったものを取り除くようなイメージで行う。歯垢も落ちる。

■1.上の歯は毛先を斜め下に向けて差し込む
歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に45度くらいの角度で当てる。毛先を歯間に差し込み歯の先端方向に滑らせる。1カ所10~20秒繰り返す。

■2.下の歯は毛先を斜め上に向けて差し込む
歯ブラシの毛先を45度くらい上に向けて、歯と歯の間に差し込む。毛先が歯間に入ったら元の位置に戻す。これを1カ所10~20秒繰り返す。

■3.奥歯は毛先を垂直に当てて刺激する
歯ブラシの毛先を歯の側面に垂直に当てて小刻みに動かす。奥歯には毛先が入りにくいが、1~2本でも入ればOK。1カ所10~20秒繰り返す。