疲れやすくなった、太りやすくなった、肌がくすむ――。女性が悩む「肌・髪」「体」「食べ方」について、30代、40代、50代に起こる現実を知らずして対策は立てられない。まずは「肌・髪」「体」「食べ方」の曲がり角とは何か、データを交え説明します。

30代、40代、50代の女性イメージ。年代でそれぞれ肌、体、食べ方への対策が違ってくる
30代、40代、50代ではそれぞれ肌、体、食べ方への対策が違ってくる

肌と髪の曲がり角は新陳代謝の乱れから

 「肌の曲がり角は25歳」とよくいわれるが実際はどうなのか。

 研究報告で明らかになっているデータを集め、同時に読者が実感した「曲がり角」について、アンケート(下編で紹介)で聞いた。

 肌の大きな曲がり角を迎えるのは、42歳。ポーラ化成工業の三輪隆博さんは「26歳から潜在的なシミが増え始め、42歳でシミが表面化しやすくなることが分かった。原因は、本来肌に備わっている美白する力=『セルフクリア機能』が低下するためだ」と話す。

 女性の肌に詳しいアオハルクリニックの小柳衣吏子院長は、「見た目にはまだ分かりにくくても、30代で目に見えないシミが増え、肌の老化は始まっている。油断せずに、常に紫外線をケアし、50代に入ったら本格的に保湿ケアを見直すのがお薦め」とアドバイスする。

髪が細くなるのは35歳ごろ

男性1177人、女性1万8262人を対象に髪の毛の太さやツヤ、うねりなどを調査。毛髪の太さは男性は20歳前後がピーク。女性は35歳前後に髪が細くなり、髪のツヤも低下することが分かった。(データ:花王)

シミが表面化するのは42歳ごろ

表皮細胞は紫外線から核を守るため細胞内でメラニンの集合体、メラニンキャップを作る。これは新陳代謝に伴って分解されるが、42歳ごろになると分解しきれなくなり、シミとして表面化しやすくなる。

潜んだシミが42歳を境に肌にくっきりと表れる
20~50代の女性211人を対象に肌の画像解析を実施。青写真で黒点で見えるのが表面化したシミ。26歳でポツポツと増え始め、42歳ではくっきりと表れる。顔写真はシミュレーション画像。(写真:ポーラ化成工業)

皮脂が減るのは50代から

18~69歳の女性61人を対象に、首とほおの皮脂量などを測定し、18~29歳、30~49歳、50~69歳の3グループで比較。50~69歳の皮脂量は首もほおもほかのグループに比べて有意に低かった。(データ:資生堂)