神経に巻き付いているミエリンとは

 神経のまわりには、電線を覆うビニールカバーのように「ミエリン」という膜が巻きついている。神経を流れる電気信号は、このミエリンの隙間を跳ぶようにして高速で伝わる。神経が老化してミエリンが傷つくと様々な不調が生じることに。

傷ついた病的なミエリン
巻きがゆるくなったり、ほつれたり、損傷したりしている。

健康なミエリン
神経(軸索)の周りに、脂肪の膜が同心円状に幾重にも巻かれている。

脳幹や自律神経、大脳にも刺激が伝わる

 慢性硬膜下血腫の手術を受けた78歳男性が、顔つまみ30秒×3回、顔まわし30秒×3回を実施。実施前後での脳の状態を脳波によって比較した(NAT解析)。写真は脳活動を画像化したもの。顔もみ実施後は前頭葉から頭頂葉、後頭葉にかけて赤~オレンジ色になり、脳全体が活性化したことが認められた。(NAT画像提供:工藤院長)

脳波の状態。左から、顔もみ前、顔もみ後、顔もみ前後の差
脳波の状態。左から、顔もみ前、顔もみ後、顔もみ前後の差

顔もみ前
顔もみ前の状態。脳全体が安静状態を示す緑色になっている。

顔もみ後
顔もみの直後は、脳全体に活性化を示す赤色やオレンジ色が増えている。

前後の差(脳の活性度)
実施後から実施前の脳波パワーを引いた差。脳全体の活性化が一目瞭然(りょうぜん)。

 次回は、顔もみの全セットを写真付きで紹介します。
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工藤千秋
くどうちあき脳神経外科クリニック 院長
工藤千秋 脳神経外科医。英国バーミンガム大学、東京労災病院などを経て、2001年から現職。延べ39万人以上の患者の治療に当たる。著書に『脳神経外科医が教える病気にならない神経クリーニング』(サンマーク出版)など。

取材・文/佐田節子 写真/鈴木 宏 モデル/佐藤飛鳥 イラスト/三弓素青、PIXTA