食事も重要な頭皮ケアのひとつ

 「頭皮のゆがみには、栄養状態も関係しています。コラーゲンが不足すると頭皮のたるみは悪化します。ダイエットや偏った食事をしていると、頭皮の健康や髪の成長に必要なたんぱく質やビタミン、ミネラルが不足します」と田路医師は指摘する。

 「たんぱく質は髪の原料であるとともに、髪の成長を支えるホルモンの分泌も促します。髪に大切なパントテン酸を始めとするビタミンB群もたんぱく質食材に多く含まれています。さらに、髪を作る毛母細胞の働きを高める亜鉛や鉄も女性は欠乏しやすいため、意識して摂取を。毎日いろいろな食材をとることが栄養バランスを保つポイントです。ただし、通常の食事だけではとりにくい栄養素はサプリメントで補うとよいでしょう」(田路医師)

積極的にとるべき栄養素は亜鉛・鉄・ビタミンB群

亜鉛
たんぱく質を合成する働きを持つ。毛母細胞の分裂を促進して発毛・育毛を促すほか、女性ホルモンの分泌を活性化する作用もある。牡蠣や豚レバー、豆類などに多く含まれる。


鉄は海藻や豚・鶏のレバー、豆類などに多く含まれるが、体内に吸収されにくい性質がある。ビタミンCと一緒にとると吸収率が高まり、コラーゲンの合成も促される。

ビタミンB群
代謝に必要な酵素の働きを助けるビタミンB群。肉や魚、卵などのたんぱく質に多く含まれるが、水溶性なので毎日とることが必要。特にB群の一種のパントテン酸は髪に大切。

頭皮や髪に不安のある人は専門外来で相談を
頭皮や髪の不調の原因が、栄養状態やホルモンバランスにあることも多い。専門外来では適切な食事やケアなども知ることができる。まずカウンセリングを受けてみるのもいい。
「松倉クリニック&メディカルスパ NEW育毛外来」
分子整合栄養学に基づく栄養指導やホルモン検査などを組み合わせた総合的な治療を行う。東京都渋谷区神宮前4-11-6表参道千代田ビル9F

 次回はスカスカ髪の密度を高めるケアを紹介します。

田路めぐみ
松倉クリニック&メディカルスパ 医師
田路めぐみ 育毛外来を担当。形成外科専門医。抗加齢医学会専門医。丁寧なカウンセリングを行い、従来の育毛薬の処方や治療だけでなく、栄養、ホルモンの観点からも診療し、根本的な治療を目指す。
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田村マナ
美髪アドバイザー
田村マナ 田村マナ美髪研究所代表。毛髪診断士。スカルプケアリスト。国際線CA時代に機内の乾燥など過酷な環境で髪トラブルに悩んだことを機に化粧品ブランド「CA101」を立ち上げる。幅広い年代の頭皮チェックやケア指導も行う。

取材・文/やまきひろみ 写真/鈴木希代江 モデル/殿柿佳奈 図版/三弓素青