白髪になってしまうのはなぜ?

 一方、白髪の原因は色素をつくるメラノサイト(色素細胞)の機能の低下と、メラノサイトを供給する色素幹細胞の枯渇にある。基本的に治療は難しいが「メラノサイトが休止して白髪になっている場合は、色素幹細胞が残っていれば黒髪に戻る可能性がある」(慶田院長)という。

毛根にある色素幹細胞の枯渇やメラノサイトの機能低下で白髪に
毛根にある色素幹細胞の枯渇やメラノサイトの機能低下で白髪に
色素のもとになる色素幹細胞は表皮のバルジ領域という部分に蓄えられており、ここで生まれたメラノサイトが毛母細胞周辺まで下りてきて分化する。色素幹細胞が枯渇したり、毛球部のメラノサイトが休止したり、チロシナーゼの働きが不十分な場合に白髪になるが、色素幹細胞が残っていれば黒髪に戻ることも。

白髪と薄毛の3大原因は

 白髪や薄毛の3大原因は、(1)栄養不足、(2)頭皮の凝り・血行不良、(3)頭皮の過剰な皮脂。毛根は、栄養不足や酸化ストレスにより働きが悪くなり、白髪や薄毛を引き起こす。

薄毛、白髪は栄養不足で起きている場合も。特に細胞分裂やコラーゲン合成に関わる鉄、亜鉛、ビタミンC、ホルモンや酵素、髪の原料になるたんぱく質を意識してとろう。「色素細胞を活性化するカルシウム、メラニンの原料であるチロシンというアミノ酸、メラニン合成に不可欠な酵素、チロシナーゼの働きを促す銅、たんぱく質の代謝に必要なビタミンB・Eも大切」(慶田院長)。
薄毛、白髪は栄養不足で起きている場合も。特に細胞分裂やコラーゲン合成に関わる鉄、亜鉛、ビタミンC、ホルモンや酵素、髪の原料になるたんぱく質を意識してとろう。「色素細胞を活性化するカルシウム、メラニンの原料であるチロシンというアミノ酸、メラニン合成に不可欠な酵素、チロシナーゼの働きを促す銅、たんぱく質の代謝に必要なビタミンB・Eも大切」(慶田院長)。

まずは栄養状態を整えることから

 薄毛、白髪は加齢や遺伝も大きくかかわるが、「まずは栄養状態を整えること」と話すのは、松倉クリニック&メディカルスパ育毛外来の田路めぐみ医師。「特に若くて薄毛に悩む人は栄養不足のケースが多い。栄養を的確に補給して心身の調子を整えるだけで薄毛が改善する人も少なくない。意識してとりたいのが鉄、亜鉛、ビタミンC、たんぱく質。バランスの良い食事を心がけて」と助言する。

 同時に、頭皮環境を整えて毛根の働きを高めることも大切。「頭皮の凝りや血流不足があると毛根に栄養が届かず、毛母細胞が働けなくなる。また、頭皮の過剰な皮脂は放っておくと酸化し、毛母細胞の負担に。毛穴まわりの余分な皮脂は取り除いて」(田路医師)。栄養補給と頭皮のケアは、早く始めるほど髪の老化予防に効果的だ。

 次回は、白髪をきれいに染める 根元染めのコツとシャンプー選びをご紹介します。

慶田朋子
銀座ケイスキンクリニック院長/美容皮膚科医/医学博士/レーザー専門医/皮膚科専門医
慶田朋子 東京女子医科大学医学部医学科卒業。同大にて皮膚科助手、美容クリニック勤務などを経て、銀座ケイスキンクリニックを開設。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」(メスを使わない若返り)を叶える美容皮膚科医として活動。著書に『女医が教える、やってはいけない美容法』(小学館)など。
田路めぐみ
松倉クリニック&メディカルスパ(東京都渋谷区)医師
田路めぐみ 育毛外来を担当。形成外科・再建外科医としても活躍。従来の育毛薬の処方や治療だけでなく、栄養、ホルモンの観点からも診療し、根本的な治療を目指す。

取材・文/渡辺満樹子 写真/鈴木希代江 モデル/松嶋恵理 イラスト/三弓素青

日経ヘルス2016年4月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります