顔の「美肌菌」を増やせば、しっとりと潤った、肌荒れや吹き出物のない肌になれる……その理由をミルディス皮フ科の出来尾格医師にお聞きしました。

 ツルツルの肌とガサガサの肌、なにが違うの? その答えの一つが肌の菌にあると分かってきた。人の肌には常に7〜10種類の菌がいる。最近の研究ではこの菌のバランスと肌状態が密接に関わっていると明らかに。

 肌の常在菌には、美肌菌悪玉菌がある。健康な肌では、悪玉菌は、美肌菌の働きで一定量以下に保たれている。しかし悪玉菌が増えすぎると、皮膚の水分を保つバリア機能が低下し、乾燥や肌荒れの原因となる。実際に、アトピー性皮膚炎の人の皮膚では、悪玉菌が通常の肌よりも増え、肌フローラが乱れていることが確認されている。

肌にいる美肌菌と悪玉菌をチェック

 顔の肌に住む常在菌は、人によって種類は異なるが、7〜10種類といわれる。代表的なのは美肌菌とされる表皮ブドウ球菌のほか、誰もが持っているのがアクネ桿菌。アクネ桿菌にも、悪玉(タイプⅠ)と善玉(タイプⅡ、Ⅲ)があり、善玉は肌を弱酸性に保つ作用がある。

美肌菌 表皮ブドウ球菌

・グリセリン類似成分を作りバリア機能を保つ
・抗菌ペプチドを作り悪玉菌の増殖を防ぐ

他にもアクネ桿菌(タイプⅡ、Ⅲ)など

悪玉菌 黄色ブドウ球菌

・バリア機能の形成を妨げ乾燥肌に導く
・増殖するとアトピーやとびひなど皮膚疾患の原因に

他にもアクネ桿菌(タイプⅠ)、レンサ球菌、マラセチア菌など