骨の代謝に大きな転機が訪れる更年期

 骨の新陳代謝、軟骨の新陳代謝の結果、骨の弱体化が進み、閉経後は閉経前に比べ、骨量が急激に減少する(下記グラフ)。

女性は40代から骨が弱くなる
女性は40代から骨が弱くなる
閉経前220人、閉経後166人の合計386人の日本人女性が対象。DXA(デキサ)法で腰椎の骨密度を測定した結果、閉経後女性では加齢に伴い、骨密度が急激に減少していた。大腿骨頸部などでも同様の結果だった。(データ:JOURNAL OF BONE AND MINERAL RESEARCH; 8,2,1993)

 転んで手をついただけで手首を骨折した、背中や腰が曲がってきたと思ったら知らない間に背骨がつぶれていた……など、ちょっとしたことで骨折する「骨粗しょう症」も増える。「骨の減少は、女性全員に起こる現象。40代の更年期から徐々に減り始め、閉経後にグンと加速する」と石島准教授。

こんな人は骨が弱くなりやすい
□やせている、極端なダイエットをしたことがある
□あまり運動しない、子供のころ運動しなかった
□あまり日に当たらない、UVケアは万全だ
□乳製品、魚、大豆製品をあまり食べない
□家族に骨粗しょう症の人がいる
□更年期だ、または閉経している

 骨がもともと弱い人は、そこからさらに弱体化が進むので要注意! やせている、あまり運動しない、日に当たる機会が少ないという人は、骨が弱い可能性がある。一方、軟骨はほとんど代謝しないので大切に使うことがポイントだ。

やせている人は骨密度が低い?

 40歳を超えたら骨の「貯金」を知っておくべきといわれ、編集Nは、DXA法で骨密度を調べてみた。腰椎は20〜44歳の健康な女性の骨密度平均値(YAM)とほぼ同等だったが、大腿骨(頸部)は「骨量減少症」に該当。更年期を考えると不安になり、食事と運動の対策を始めることにした。

腰椎の骨密度検査の結果
腰椎の骨密度検査の結果
全身、腰椎、大腿骨(頸部)の3カ所を測定。グラフは、編集N(43歳、BMI19.9)の腰椎の結果。腰椎と全身はYAM98%で「正常」。大腿骨(頸部)は75%で「骨量減少症」の状態だった。<検査協力:女性のための統合ヘルスクリニック イーク丸の内>

 次回は、骨を強くするトレーニングや食事を紹介します。

石島旨章
順天堂大学医学部整形外科学講座 准教授
石島旨章 専門は骨粗しょう症、変形性膝関節症など。「過度の美白は、骨に必要なビタミンDの合成を妨げます。腕だけでもいいので、せめて1日15分はUVケアなしで日光を浴びてください」。
石橋英明
伊奈病院整形外科(埼玉県伊奈町)部長
石橋英明 専門は骨粗しょう症、関節外科など。著書は『骨粗鬆症の最新治療』など。「階段の上り下り、片足立ち、縄跳び……。どれも骨と筋力を鍛える。骨に力がかかるほど、骨は強くなろうとします」。

取材・文/佐田節子 写真/鈴木 宏 図版/三弓素青 写真/PIXTA

日経ヘルス2015年5月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります