長く伸びたまつ毛、美しい眉を手に入れたい──。そのためにもまつ毛と眉毛が伸びるメカニズムを知り、適切なケアを心がけよう。

 ここ数年の美容トレンドの1つがまつ毛を育てる「まつ育」。さらに、ナチュラル眉の復活で“まゆ育”アイテムも増えてきた。まつ毛や眉毛は、毛が伸びる「成長期」、成長がゆるやかになる「退行期」、細胞分裂が止まり、生え変わる準備をする「休止期」を順に繰り返す。基本的なサイクルは頭髪と同じだ。

まつ毛が伸びるのはたった1カ月、眉毛は1~2カ月
まつ毛・眉毛・頭髪のヘアサイクル、休止期、退行期、成長期は以下の通り。まつ毛のヘアサイクルは4カ月、休止期は80日、退行期は2~3週間、成長期は1カ月(27%)。眉毛は5カ月/3~4カ月/2~3週間/1~2カ月(20~30%)、頭髪は3~6年/3~4カ月/2~3週間/2~6年(85~95%)

 体毛が生まれてから抜けていくまでの流れは基本的に同じ。だが、成長期の割合が大きい頭髪と異なり、まつ毛や眉毛は成長期の割合がとても小さい。「まつ育」「まゆ育」のポイントは、「この短い成長期にいかに毛を育てるか」にある

体毛が生まれてから抜けていくまでの流れをチェックしよう
1. 毛包幹細胞が増殖し、毛包の底に移動して毛母細胞になる
2. 毛母細胞が毛乳頭から栄養をもらって分裂を繰り返し、新しい毛として成長をはじめる
3. 古い毛が抜け落ち、新しい毛が成長を続ける
4. 毛母細胞の分裂が減り、毛乳頭から毛母細胞が離れる
5. 毛包が収縮し、毛乳頭細胞が皮膚の中で休んだ状態。毛は徐々に上に押し上げられる。また1へ戻り、繰り返す

 まつ毛や眉毛用の美容液は、1~2カ月ほどで使いきるサイズに、毛の成長や維持を担う細胞の働きを高める成分がギュッと詰まっている。「ヘアサイクルが短いからこそ、効果も実感しやすいはず」とコーセー皮膚・薬剤研究室の猪又顕さんは話す。