なぜ冬のダイエットにいい?

【理由1】カツオだしが血流を促す

 カツオだしは冬のダイエットにぴったり。うまみ成分のイノシン酸、ペプチドのアンセリンが血流を促すため、冷えが改善したという報告もある。

 また、ヒスチジンは肥満予防に有効だといえそうだ。「ヒスチジンは脳内でヒスタミンニューロンを活性化し、体熱産生を高め、脂肪の燃焼を促す」(中島さん)。カツオなどヒスチジンが豊富なたんぱく質の摂取量が多いと、「BMIや体脂肪率が低く、体脂肪蓄積量も少ないことを確認している」(中島さん)。

■カツオ節のアンセリン、イノシン酸、ヒスチジンがカギ
■カツオ節のアンセリン、イノシン酸、ヒスチジンがカギ
平均年齢18.6歳の120人の女性に食事調査を行い、食事中のヒスチジン摂取量を算出。BMIや体脂肪率、体脂肪量などの関連を調べた。結果、体重当たりのたんぱく質摂取量のうち、ヒスチジンの摂取量が多いほど、BMIが有意に低いことが分かった。体脂肪率でも同様の傾向が認められた。このことから、体脂肪量にヒスチジンの摂取が関わっている可能性が考えられる。グラフは近似直線。(データ:肥満研究;10,2,59-64,2004より抜粋、改変)

【理由2】ショウガが熱を生み、代謝アップ

 カツオだしの効果をさらに高めるために、「飲むだし」に代謝を上げるショウガの薄切りを加えよう。

 ショウガに含まれるジンゲロールやショウガオールといった辛み成分が、血流を促し、代謝を上げ、冷え解消に役立つことが分かっている。これらの辛み成分は、交感神経を活性化して、熱を生む作用がある。

 ショウガとカツオだしを一緒にとることで、より代謝アップ効果が期待できる。「加熱したショウガも残さずぜひ食べて」(平柳さん)。

■辛み成分がポイント!
■辛み成分がポイント!
19人の女性に2種類のショウガ入りカプセル(ショウガ10g、20g)と、似た対照成分を入れたカプセルの3つを、サンドイッチとともに別の日にそれぞれ食べてもらい、食後1時間ごとに3時間まで安静時のエネルギー消費量(安静時代謝)を呼気ガス代謝モニターで測定した。グラフはサンドイッチの影響を除去したショウガのみのデータで、ショウガ摂取群では3時間にわたってエネルギー消費量が上昇した。(データ:人間工学;45,4,236-241,2009)

 次回は、ショウガ&カツオだしドリンクのレシピを紹介します。

河野一世
県立なら食と農の魅力創造国際大学校 フードクリエイティブ参与
河野一世 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了。味の素中央研究所、お茶の水女子大学生活環境教育研究センター教授などを経て現職。放送大学講師も兼務。主な著書に『だしの秘密』(建帛社)など。「日本人に肥満が少ないのは、長年のだしの食文化が役立っているのでは。汁物など積極的にとって」

取材・文/松岡真理 写真/鈴木正美 グラフ/増田真一

日経ヘルス2018年2月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります