「食べ方の正解」を習慣づけよう

 食べ方の正解は、「よくかむ」「小さいひと口」「ながら食べしない」の3つ。一つひとつチェックしていこう。

【ポイント1】よくかんで食事を味わう

 「食事にかける時間とかむ回数は相関する」というのは、専門家が口をそろえる事実。よくかみ、食事を味わうことは「ゆっくり食べるだけ! ダイエット」の基本。水で流し込まないように心がけよう。

体脂肪率が低い人はよくかんでいる
体脂肪率が低い人はよくかんでいる
前回の「検証 ゆっくり食べる人は痩せている? 脂肪が燃える?」と同じ女性84人を対象にした実験。サケおにぎり1個(174kcal)を普段と同じように食べたときの咀嚼回数と体脂肪率との相関を調べた。結果、体脂肪率の低い人ほど、咀嚼回数が多い傾向にあった。(データ:林教授)

【ポイント2】ひと口は小さく 水で流し込まない

 つい早く食べてしまう、あまりかまないという人は、一度に口に入れる量を減らしてみよう。1回の食事でかむ回数が自然と増え、時間をかけて食べられるようにもなる。食事中に水を飲むのもなるべく控えよう。

【ポイント3】食事に集中できない「ながら食べ」は禁止

 1人のときなど、スマートフォンを見たり本を読んだりしながら食事をしている人は多いはず。「ながら食べ」は食べた量を実感しにくく、食べ過ぎや満腹感を得られない原因になる。食事のときは食べることに集中して。

ゆっくり食べる効果は?

 従来から分かっている「ゆっくり食べる効果」はこの3つ。

1.消化しやすくなり胃腸の負担が軽い

 よくかむことで、食物は細かく砕かれ、唾液ともよく混じり合う。また、おいしく味わうほど胃酸の分泌も促されるため、消化しやすくなる。

2.咀嚼筋を使うことで顔のたるみを防ぐ

 かむときは、こめかみ辺りにある側頭筋や、ほおからあごにかけての咬筋などの咀嚼筋を使う。「ほおのたるみを防ぐ効果が期待できる」(柳沢教授)。

3.満腹感があり、長く続く

 「よくかむと少ない量でも血糖値が上昇。インスリンが分泌され、満腹中枢が刺激されて満腹感が得やすい上、満足感が長く続く」(柳沢教授)。

柳沢幸江
和洋女子大学 家政学部 学部長/教授
柳沢幸江 女子栄養大学大学院博士後期課程修了。博士(栄養学)。専門は、食品物性・テクスチャーと咀嚼性との関連。「かみごたえ早見表」を発表するなど、かんで食事をすることの大切さを栄養的視点・食事学的視点から研究している。
林 直亨
東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院教授
林 直亨 早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程中退、医学博士(大阪大学)。大阪大学助手、九州大学健康科学センター准教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科教授などを経て、2016年から現職。専門は運動生理学、応用生理学、健康と運動・食生活。

取材・文/平野亜矢(日経クロストレンド編集)

日経ヘルス2015年2月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります