ポイントはかむ回数だ。ゆっくり食べると、かむ回数が多くなる。かむ回数が多いほど胃や小腸に血液を送る動脈の血流量が増え、その結果、DITが大きくなるという。「1回の食事の後に消費されるカロリーは小さいが、1年間積み重ねれば、体脂肪1.5kg分を消費する計算。300kcalの栄養補助食品でこの結果なので、日常の食事なら効果はより大きくなるだろう」(林教授)。

 女性を対象に、おにぎりで行った別の実験では、食べるのが遅い人ほど体脂肪率が低い傾向があることも分かった。あなたの食べる速さはどうだろう。まずはおにぎりをどのくらいの時間で食べているか振り返ってみよう。

おにぎりで実験 ゆっくり食べる人ほどやせている
おにぎりで実験 ゆっくり食べる人ほどやせている
女性84人が対象。サケおにぎり1個(174kcal)を普段と同じように食べたときにかかった時間や咀嚼(そしゃく)回数を記録し、体脂肪率との相関を調べた。結果、体脂肪率の低い人ほど、ゆっくり食べる傾向があった(データ:林直亨教授)

 次回からは「ゆっくり食べるだけ! ダイエット」のコツを紹介する。

【今日のポイント】ゆっくり食べるとなぜ体脂肪が減るの?
1. ゆっくり食べる
2. かむ回数が増える
3. 内臓の血流量が増える
4. DIT(食事誘発性熱産生)が増える
林 直亨
東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院教授
林 直亨 早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程中退、医学博士(大阪大学)。大阪大学助手、九州大学健康科学センター准教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科教授などを経て、2016年から現職。専門は運動生理学、応用生理学、健康と運動・食生活。

取材・文/平野亜矢(日経クロストレンド編集)

日経ヘルス2015年2月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります