ダイエットがうまくいかないのは、自制心や我慢が足りないわけではなく、脳の仕業だった! 「30秒、食事を見るだけ」を実践すれば、「食べたい!」の衝動の波をうまく乗りこなせるようになります。

・「30秒、食事見るだけ」で成功する脳科学ダイエット ←今回はここ
・「30秒、食事見るだけ」ダイエット 1週間プログラム
・「自制心に頼らない」究極の脳科学ダイエットとは?

 食事が終わったばかりなのにわき上がってくる「食べたい」衝動。欲望に身を任せてつい食べ過ぎてしまい、「どうして我慢できないの?」と自分を責めていないだろうか。「ダイエットで悩む人は、誰もが我慢できない自分を責めている。しかし、そもそも脳は食べたい衝動に抗えないようにできている」と説明するのは、米国ロサンゼルスでマインドフルネス認知療法に取り組む久賀谷亮さんだ。

 つい甘いものに手を出したり、ストレス食いをしたりしてしまうのは、食べたい衝動と脳の「快楽中枢」の活性化がセットで起こる脳のクセができているため(下図)。

「なんとなく」&「ながら」食べが食べ過ぎ太りの原因!

 食べたい衝動のまま食べるとますます食べたくなる理由は、(1)食べたい衝動が起こる、(2)食べて「快楽中枢」が活性化、(3)もっと食べたい欲求が起こるため。

つい食べてしまう、食べ過ぎてしまう、という人は、脳が「やせられない脳」になっている。例えば甘いものを食べると糖質が脳の「腹側被蓋野(ふくそくひがいや)」を刺激。この部分とつながる「側坐核(そくざかく)」から快楽物質ドーパミンが出る。甘いもの=快楽という経験は学習され、ストレスを感じたときには快楽を欲して甘いものが食べたくなり、さらに脳は強い快楽を求めて欲求が拡大する。
つい食べてしまう、食べ過ぎてしまう、という人は、脳が「やせられない脳」になっている。例えば甘いものを食べると糖質が脳の「腹側被蓋野(ふくそくひがいや)」を刺激。この部分とつながる「側坐核(そくざかく)」から快楽物質ドーパミンが出る。甘いもの=快楽という経験は学習され、ストレスを感じたときには快楽を欲して甘いものが食べたくなり、さらに脳は強い快楽を求めて欲求が拡大する。

【ここが脳科学!】

食べたい衝動は30秒置くと引いていく
⇒続けると、本当の食欲がわかるようになる。

 「砂糖はドラッグよりも快楽中枢を刺激するという研究もある」(久賀谷さん)。つまり、ストレスフルな私たちが「つい食べてしまう」習慣から抜け出せないのは、脳の仕業なのだ。「だからこそ、脳のメカニズムを逆手にとり、脳をうまく手なずけることが、『やせられない脳』を『太らない脳』に変えていく手段になる」と久賀谷さん。

 数あるメソッドのなかで久賀谷さんがイチオシというのが、いきなり目の前のものに手を出すのでなく「30秒間食事を見るだけ」という方法。次のページで、そのやり方を紹介する。