腸内の善玉菌を増やすものといえば、食物繊維と乳酸菌。そのどちらもを満たすのが、実は味噌汁です。面倒だと思う人でも大丈夫。医師や腸の専門家が薦める、だし要らずの育菌みそスープをご紹介します。

 日本人の腸を支えてきた発酵食の代表、味噌。「それを毎日手軽にとれるのが、味噌汁」というのは、食事指導で味噌汁を薦めている内科医の関由佳さん。

 実は「味噌には乳酸菌が含まれる。乳酸菌は加熱で死んでも、腸内にある善玉菌のエサになる」(関さん)。

3日間味噌をとって腸内の善玉菌が増えた
3日間味噌をとって腸内の善玉菌が増えた
マウスを米味噌0.2%の水(ヒト換算で味噌汁2杯分)または同塩分濃度の食塩水をとる2群に分け、腸内細菌叢の変化を調べた。結果、3日後に味噌摂取群で善玉菌が約65%に増加した。飲用をやめた4日目には元に戻った。(データ:中央味噌研究所研究報告 35,2014)

 具材の組み合わせで腸の「育菌効果」を高められるのも、味噌汁のメリット。腸ケアに詳しい看護師の齊藤早苗さんは、「具材は海藻、キノコ、野菜の組み合わせがベスト。この3つの食材は総じて食物繊維が多く、この味噌汁を飲むと、腸の調子が整う人が多い」という。

みそスープは最高の育菌レシピ!
●味噌が腸内の善玉菌を増やす
味噌には乳酸菌が含まれ、毎日食べることで腸内の善玉菌が増える。加熱で死んだ菌でも、善玉菌の格好のエサになる。また、味噌の主原料である大豆と麹に多い食物繊維も、善玉菌のエサに。ダブルの働きで善玉菌が増える!

●具には食物繊維たっぷりの食材
野菜は加熱するとカサが減るため、味噌汁1杯で100g程度もとることができる。さらに海藻やキノコを加えれば、善玉菌のエサになる食物繊維量がアップ!「味噌は味をまとめる包容力があるから組み合わせを選びません」(関さん)。

 とはいえ、面倒という人もいるだろう。そこで、提案するのが、朝はお湯を注いで1分でできるだし要らずの「朝1分!育菌みそスープ」。イチオシは次のページで紹介する「アボカド育菌みそスープ」だ。納豆をポンと入れてもいい。

 時間をかけられる夜は、具材を細かく切って煮込む「夜5分!育菌みそスープ」を。「くたくたになるまで具材を煮込むと、腸にやさしい」(齊藤さん)。毎日味噌汁を飲むとシミが薄くなるという報告もある。まずは朝か夜の一杯から始めて、お腹ぺたんこに!