「脂肪を減らす」「やせる」と話題を集めた「酢タマネギ」。その酢タマネギよりも簡単に作れて、高いやせ効果が期待できる食材が! それが「酢ショウガ」。エネルギー消費をアップし、脂肪の蓄積を抑えます。

ショウガは生でも加熱してもダイエットに効く!

 「酢ショウガ」とは、薄く切ったショウガを酢に1晩以上漬けたもの。つまり、甘くない「ガリ」だ。野菜料理家の庄司いずみさんは「和・洋・中を問わず、どんな料理とも相性が良く、食べるだけで体が温まる」と話す。

 この酢ショウガ、ダイエットにぴったりの食材だ。ショウガの機能に詳しい食品医学研究所の平柳要所長によると、「ショウガの辛み成分の一つで、加熱したときに増えるショウガオールには、体幹部を温め、約3時間にわたってエネルギー消費量を高める効果がある」。

加熱したショウガに多いショウガオールはエネルギー代謝を上げる

ショウガを加熱すると、ジンゲロールの一部が変化してショウガオールになる。これはジンゲロールよりも体を温める効果が高く、エネルギー消費を増やす効果がある。

冷え性の女性19人に加熱処理済みのショウガ抽出物をとってもらい、その後3時間のエネルギー消費量の増加率を調べた。すると、生に換算して10g相当をとった人はとる前に比べて6〜8%、20g相当をとった人は8〜11%、エネルギー消費量が増加した。(データ:人間工学; 45,4,236-241,2009)
冷え性の女性19人に加熱処理済みのショウガ抽出物をとってもらい、その後3時間のエネルギー消費量の増加率を調べた。すると、生に換算して10g相当をとった人はとる前に比べて6〜8%、20g相当をとった人は8〜11%、エネルギー消費量が増加した。(データ:人間工学; 45,4,236-241,2009)

 加えて最近、生のショウガに多く含まれるジンゲロールという成分にも、脂肪の蓄積を抑える作用があると分かってきた。

生のショウガに多いジンゲロールは脂肪蓄積を抑える

ジンゲロールは、生のショウガに多い辛み成分の一つ。脂肪の蓄積を抑える効果や食後血糖値の上昇を抑える効果などがマウスの試験で確認された。

2カ月間、高脂肪のエサだけを与えたマウスと、高脂肪のエサに食事量の0.1%のジンゲロールを加えて与えたマウスの皮下脂肪量を比較した。すると、ジンゲロールを与えたマウスのほうが皮下脂肪量が少なく、体重の増加も抑えられた。(データ:岡本さん提供の資料から抜粋)
2カ月間、高脂肪のエサだけを与えたマウスと、高脂肪のエサに食事量の0.1%のジンゲロールを加えて与えたマウスの皮下脂肪量を比較した。すると、ジンゲロールを与えたマウスのほうが皮下脂肪量が少なく、体重の増加も抑えられた。(データ:岡本さん提供の資料から抜粋)

 東京工業大学生命理工学院研究員の岡本真由美さんは、「動物実験では、生のショウガに多いジンゲロールをとると、内臓脂肪と皮下脂肪の量が減り、体重増加が抑えられた」と話す。