「味(み)らい」が食べ物の味を決めるセンサー

 味らいは口の中、主に舌の上のポツポツの乳頭に埋まっており、味らいの中には味を感じる味細胞が入っている。味らいに食べ物が触れると神経細胞を通して脳に情報が伝えられ、甘い、苦いといった味を感じる。

味を感じる「味細胞」は約10日で生まれ変わるので10日間で好みの味は変わる
味を感じる「味細胞」は約10日で生まれ変わるので10日間で好みの味は変わる
味の情報を受ける味細胞が集中しているのが味らいで、人には約1万個の味らいがある。味細胞はターンオーバーを続け、約10日間で生まれ変わる。味らいは口の中に分布しており、大多数が舌表面のポツポツした突起(乳頭)に埋まっている。食べたものに含まれる味物質で味らいが刺激を受けると、舌神経を通じて大脳の味覚中枢に伝わり、味を感じる

 ダイエットで控えたい味は、甘くて糖質過剰の原因となる甘味と、むくみの原因となる塩味。この2種類はさらに、片方を食べると片方を欲してしまうという悪循環に陥る危険をはらんでいる。「甘い(甘味)、または、しょっぱい(塩味)といった刺激が脳に来ると、脳はさらに刺激が欲しくなるので食べる量が増える。さらに、甘味の後に塩味が来ると、脳が飽きることがないのでもっと欲しくなり、止まらなくなる」と鈴木さん。甘いチョコレートの後にしょっぱいポテトチップスを食べたくなるのは、つまり脳が満足していないためなのだ。

減らしたいのは甘味と塩味
甘味 多すぎると体脂肪になるので減らす 止まらなくなる 塩味 多すぎるとむくみの原因になるので減らす 酸味 多すぎると甘味が欲しくなるので控える 苦味 多すぎると甘味が欲しくなるので控える うま味 多いと甘味や塩味を減らせるので増やす
特に減らすべきは甘味と塩味。酸味があると甘味を足したくなるので控えめに。苦味は、例えば苦いコーヒーに砂糖を多く入れても気づきにくいように甘味をカバーするので糖質過剰の原因に。これも控えたい。うま味を足すと甘味や塩味を抑えられるのでこれは増やしたい

 酸味と苦味も、強いと甘味を欲してしまうので控えめにしたい。逆に増やしたいのは、昆布やカツオ節に含まれるうま味成分。「うま味を足すと、脳が早く満足する」と鈴木さん。

 次回は、味覚タイプのチェックする診断テストをお届けします。

鈴木隆一
AISSY代表取締役社長、慶應義塾大学共同研究員
鈴木隆一 味覚や食べ合わせを研究し、メディアにも多数出演。著書に『「味覚力」を鍛えれば病気にならない』(講談社)ほか。

取材・文/羽田 光(日経DUAL編集部) 図版/三弓素青 イメージ写真/PIXTA

日経ヘルス2016年2月号掲載記事を再構成

この記事は雑誌記事掲載時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります