ヘルシー食材の王道がキノコと海藻。なかでもエノキタケとワカメは、脂肪の吸収をブロックし、それを体外に排出、さらに脂肪の燃焼を促すという最強コンビだ。常備菜にして、おいしく食べながらスリムになろう!

脂肪を「出す」エノキタケ

 エノキタケとワカメはそれぞれが別の角度から体内の脂肪に働きかけ、ダイエット効果が高い。

 エノキタケに多い不溶性食物繊維のキノコキトサンは、食事でとった脂肪の吸収を抑え、脂肪を体外に排出する働きを持つ。

 東京農業大学の江口文陽教授によると、「キノコキトサンは油分の周りに薄い膜を作り、腸内で脂肪の吸収を抑える。さらに、脂肪分解酵素であるリパーゼの働きを阻害して、脂肪を分解しにくくする」。その結果、「脂肪の吸収が抑えられ、脂肪がふん便とともに体外に出やすくなる」(江口教授)のだ。最近の研究では、さらにエノキタケに含まれる脂肪酸に内臓脂肪を減らす働きが見つかっている。

エノキタケが脂肪を絡めて出す
キノコキトサンをはじめ、エノキタケに含まれる不溶性・水溶性の食物繊維が腸を活発に動かし、脂肪を抱え込んで排出を促す。また、キノコキトサンの一部にある、脂肪酸が複合したエノキタケリノール酸が、脂肪細胞にあるβ3アドレナリン受容体を活性化し、脂肪を燃やしやすくする効果もある。
エノキタケで排出される油の量が増えた
肥満のラットを5群に分け、エノキタケから抽出したキノコキトサンを、ラットの体重1kg当たり100mg、500mg、1g、2g、0g(対照群)含む餌を10週間与えた。ふん便中の脂質含有率を比較した結果、キノコキトサン摂取群では対照群に比べ、排出量が多かった。(データ:日本きのこ学会誌;21,1,30-35,2013)

エノキタケを食べるときのコツ
●細かく刻む
●冷凍する
●洗わない。汚れはペーパーでふく

キノコキトサンは固い細胞壁の中にあるため、刻んだり、冷凍したりして細胞壁を壊すと外に出る。水溶性の食物繊維が流れるため水洗いは避けて。