魚には、筋肉の材料になるたんぱく質が豊富なだけでなく、体脂肪を燃やすスイッチを入れてくれる良質な油がたっぷり。優れたたんぱく源でもある魚に注目! 今回は、魚に含まれる油の効用をご紹介します。

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 美しくやせるには、筋肉を増やして体脂肪を落とすことが大切。それには魚がいい、という研究報告が続々と出ている。

 まずいいのが魚の油。マウスの実験で、魚油を食べさせると代謝が上がり、体重や体脂肪の蓄積が抑えられた。これは魚油が吸収される過程で、体脂肪を燃焼させる褐色脂肪細胞の働きが高まるからだと考えられる。

 また、魚油をとるなら朝食のほうが脂肪の代謝が高まることも分かってきた。マウスに、朝食か夕食どちらかに限定して魚油を含む餌を2週間与えたところ、「朝食に魚油をとったほうが血中の魚油由来のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)濃度が高く、肝臓の中性脂肪が少なかった。つまり、朝とると魚油の吸収がよく、より多く中性脂肪の蓄積が抑えられたと考えられる」と産業技術総合研究所の大石勝隆研究グループ長。同様のヒトの試験でも、やはり朝食で魚油をとるほうが血中中性脂肪の減りが大きかった。

 魚はたんぱく源としても優れている。「活動的な高齢者に白身魚を食べてもらうだけで筋肉が増えることが分かった」と立命館大学の藤田聡教授。それも、白身魚の量は1日にほんの半切れ弱でいいという。

 日本水産の内田健志副主任研究員は、「筋肉を増加させる効果があるのは、白身魚に含まれるミオシンというたんぱく質だと考えられる」と話す。

 白身魚のたんぱく質は、質がよく、とったたんぱく質のほぼすべてが体で再びたんぱく質になるため、余って脂肪になることが少ないという。