職場や家庭で、誰かにものを頼んだり、意見を言うとき、スムーズにいきますか? 衝突したり反発されたりすることが多い人は、自分の言葉を振り返ってみましょう。雑誌『日経ヘルス』から、アドラー心理学に基づいた「ココロの救い方」を発信します。

「普通」という表現には意見を押し付けるようなニュアンスが…
「普通」という表現には意見を押し付けるようなニュアンスが…

 こんな悩みを持っている人はいませんか? 会議で自分の意見を言いますが、同僚の反応が芳しくありません。みんな黙ってしまったり、反対意見を言われたりします。

 あるいは家族に「ちょっと家事を手伝って」と言った途端、夫や子供の機嫌が悪くなり、なかなか協力してくれない……なんてこともありそうです。

 あなたには、なぜみんなが賛同したり手伝ったりしてくれないのか理解できません。一生懸命伝えようとするほど、周りは退いていくような印象さえある。「私、何か間違ってる?」。腹が立ったり、逆に自信を喪失する人もいるでしょう。

 当然のことですが、世の中のすべての人があなたに協力的であるはずはありません。ですから、賛同や協力が得られない原因をすべて自分のせいにする必要はありません。うまくいかない人とは、それなりの距離感で過ごせばいい。特に職場の人間関係は、永久に続くわけではない。今は仕方がないと割り切ることも必要です。

 とはいえ、こういうことがしばしば起きているとすれば、自分に問題がないか考えてみるのも有意義でしょう。そこで今回は、周囲の賛同や協力意欲に決定的なダメージを与えかねない、ひとつのキーワードを取り上げましょう。それは「普通」という言葉です。